笊ヶ岳 2日目 10月7日 晴れ
目覚まし時計を早朝4時に合わせておいたが、3時30分に目が覚める。テントの寒気窓から外を見ると、下弦の月と星(金星か?)が輝いている。外に出てみると、なんと素晴らしい景色、一面の雲海とそこに浮かぶ富士山、空には満点の星、今度は昨日とは逆に北東の空に北斗七星が昇っている。思ったよりも寒く、ダウンジャケットを着てさらにカッパを着て食事の準備をする。バルブ撮影もしたかったのだが、悪いことに電池を1個忘れてきてしまい、持ってきたスペア電池は充電していなかったらしく、使い物にならない。バルブ長時間撮影は電池の消費が大きく無理なので、Iso感度を1600まで上げて夜空の撮影を試みる。ここのところ山に登るたびに試みている撮影だが、まだ全くうまく撮れずにいる。月と星を入れた1枚だけはそこそこに見せられるものが撮影できた。
やがて富士山の裏側の空がオレンジ色に焼け始め、しだいに色鮮やかに焼けてゆく。5時47分、富士山の左裾から太陽が昇り始める。雲海上の静かな日の出だ。ふと裏側の荒川三山を見ると何やら大きな山影が見える。均整のとれた見事な三角錐、影富士だ。ポジション移動、日の出の一時はいつも忙しい。そんなことをしながらあちらこちら撮影していると6時過ぎ、おはようございますと元気な声がする。昨日一緒に布引まで登って来た2人組のご夫婦。既に60歳は過ぎていると思われるご夫婦だが、実に元気、健脚だ。昨年も笊ヶ岳を目指して絵横手山まで登ってテントを張ったそうだが、雨のため下山し、今回はリベンジ登山だそうだ。裏に見える荒川三山も登っているそうで、小屋の位置など良く知っている。2~30分遅れてもう一組の3人組が到着。計6人で山頂からの景色を楽しみつつ山の話で盛り上がる。こちらの3人も山の経験豊富、女性の方は甲斐駒ケ岳黒戸尾根から仙丈岳、仙塩尾根、塩見岳までのルートを何度かに分けて踏破しているという。大門沢から広河内岳、笹山へと南下する白根南稜ルートや、塩見岳から蝙蝠岳を経て二軒小屋に下るルートなど、あこがれているルートは皆同じだ。
笊ヶ岳山頂の朝。月と星、一面の雲海、そして富士。
朝の静寂。見事な雲海だった。
富士の左裾からの日の出
荒川三山と影富士。右から荒川岳、赤石岳、聖岳が間近に見える。
雲海上の日の出。昨年は雲が出て見られなかった風景。
白根三山(左)と鳳凰三山(右)。尖った北岳が格好良い。
八ヶ岳方面の眺望。山頂は360度の大パノラマ。この日は昼過ぎまで雲海上の景色が楽しめた。
1時間ほど山頂で情報交換し、5人は布引山に引き返して行った。私もテント撤収し、下山の準備をしていると今度は椹島側から2人組が登って来た。最近そちらのルートはだいぶ整備されたと聞いているので状況を聞いてみると、2時間ほど下ると立派なテント場があるらしく、そこで水が汲めるのだそうだ。コースには倒木があるらしいが、通過には支障なさそうだ。さて、午前9時、山頂出発、長い下山だ。昨日の疲れが残っていて足取りが重い。絵横手から先は果てしなく長く感じ、膝はガクガク、踏ん張る力が無くなってしまい、なんと、4度もスリップして尻餅をついた。1度は横方向に1回転、ちょっと危なかった。広河原に午後2時45分到着。ここには私の好きなニンジソウという花が咲いているので、花の写真を撮ろうと思って三脚とカメラを持って行くと、何ともない場所でまたもやスリップ。気を引き締めて沢沿いの道を歩き、午後4時30分、ようやく駐車場に到着した。もちろん翌日は筋肉痛。体力を要する山だが、山頂の景色は抜群、辛いが、何度でも登ってみたくなる山だ。
布引のガレから見る聖岳と小河内岳。
広河原に咲いているジンジソウ。この花に会うのも楽しみ。
参考(にならない)タイム
1日目:早川町老平7:10-一軒家7:45-広河原8:55-山の神10:15-絵横手山13:15(昼食)-布引山16:00-笊ヶ岳18:00 計10時間50分
2日目:笊ヶ岳9:00-布引山10:15-絵横手12:00-山の神13:55-広河原14:45-老平16:30 計7時間30分
目覚まし時計を早朝4時に合わせておいたが、3時30分に目が覚める。テントの寒気窓から外を見ると、下弦の月と星(金星か?)が輝いている。外に出てみると、なんと素晴らしい景色、一面の雲海とそこに浮かぶ富士山、空には満点の星、今度は昨日とは逆に北東の空に北斗七星が昇っている。思ったよりも寒く、ダウンジャケットを着てさらにカッパを着て食事の準備をする。バルブ撮影もしたかったのだが、悪いことに電池を1個忘れてきてしまい、持ってきたスペア電池は充電していなかったらしく、使い物にならない。バルブ長時間撮影は電池の消費が大きく無理なので、Iso感度を1600まで上げて夜空の撮影を試みる。ここのところ山に登るたびに試みている撮影だが、まだ全くうまく撮れずにいる。月と星を入れた1枚だけはそこそこに見せられるものが撮影できた。
やがて富士山の裏側の空がオレンジ色に焼け始め、しだいに色鮮やかに焼けてゆく。5時47分、富士山の左裾から太陽が昇り始める。雲海上の静かな日の出だ。ふと裏側の荒川三山を見ると何やら大きな山影が見える。均整のとれた見事な三角錐、影富士だ。ポジション移動、日の出の一時はいつも忙しい。そんなことをしながらあちらこちら撮影していると6時過ぎ、おはようございますと元気な声がする。昨日一緒に布引まで登って来た2人組のご夫婦。既に60歳は過ぎていると思われるご夫婦だが、実に元気、健脚だ。昨年も笊ヶ岳を目指して絵横手山まで登ってテントを張ったそうだが、雨のため下山し、今回はリベンジ登山だそうだ。裏に見える荒川三山も登っているそうで、小屋の位置など良く知っている。2~30分遅れてもう一組の3人組が到着。計6人で山頂からの景色を楽しみつつ山の話で盛り上がる。こちらの3人も山の経験豊富、女性の方は甲斐駒ケ岳黒戸尾根から仙丈岳、仙塩尾根、塩見岳までのルートを何度かに分けて踏破しているという。大門沢から広河内岳、笹山へと南下する白根南稜ルートや、塩見岳から蝙蝠岳を経て二軒小屋に下るルートなど、あこがれているルートは皆同じだ。
笊ヶ岳山頂の朝。月と星、一面の雲海、そして富士。
朝の静寂。見事な雲海だった。
富士の左裾からの日の出
荒川三山と影富士。右から荒川岳、赤石岳、聖岳が間近に見える。
雲海上の日の出。昨年は雲が出て見られなかった風景。
白根三山(左)と鳳凰三山(右)。尖った北岳が格好良い。
八ヶ岳方面の眺望。山頂は360度の大パノラマ。この日は昼過ぎまで雲海上の景色が楽しめた。
1時間ほど山頂で情報交換し、5人は布引山に引き返して行った。私もテント撤収し、下山の準備をしていると今度は椹島側から2人組が登って来た。最近そちらのルートはだいぶ整備されたと聞いているので状況を聞いてみると、2時間ほど下ると立派なテント場があるらしく、そこで水が汲めるのだそうだ。コースには倒木があるらしいが、通過には支障なさそうだ。さて、午前9時、山頂出発、長い下山だ。昨日の疲れが残っていて足取りが重い。絵横手から先は果てしなく長く感じ、膝はガクガク、踏ん張る力が無くなってしまい、なんと、4度もスリップして尻餅をついた。1度は横方向に1回転、ちょっと危なかった。広河原に午後2時45分到着。ここには私の好きなニンジソウという花が咲いているので、花の写真を撮ろうと思って三脚とカメラを持って行くと、何ともない場所でまたもやスリップ。気を引き締めて沢沿いの道を歩き、午後4時30分、ようやく駐車場に到着した。もちろん翌日は筋肉痛。体力を要する山だが、山頂の景色は抜群、辛いが、何度でも登ってみたくなる山だ。
布引のガレから見る聖岳と小河内岳。
広河原に咲いているジンジソウ。この花に会うのも楽しみ。
参考(にならない)タイム
1日目:早川町老平7:10-一軒家7:45-広河原8:55-山の神10:15-絵横手山13:15(昼食)-布引山16:00-笊ヶ岳18:00 計10時間50分
2日目:笊ヶ岳9:00-布引山10:15-絵横手12:00-山の神13:55-広河原14:45-老平16:30 計7時間30分
笊ケ岳へいずれまた登るとのこと、その節には是非よろしくお願いしたいと思います。
笊ケ岳の山頂にソロ用テントを2張り可能でしょうか。
良い山です。是非登ってみてください。特に、朝の富士山は格別です。(今回のレポートは次週書かせてもらいます。すぐに北海道の職員旅行が控えていますので。)