山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

月光彩雲現る 猪之頭の月  平成29年11月3日

2017年11月03日 | 番外編
 左膝の痛みはだいぶ和らぎ、午前中は松葉杖歩行していたものの、午後からは杖無しで自力で歩けるまでに回復した。これならばあまり歩かない場所ならば十分に三脚を担いで撮影に行ける。十四夜のパール富士を狙って富士宮市の猪之頭まで出かけるが、ちょうど三方分山界隈を歩いていたのぞむ先生が下山していたところだったのでお誘いして2人で撮影に出かけることになった。

 本日の月は日没後40分ほど過ぎて真っ暗になった頃に富士山頂に昇って来る月なので、山頂の真ん中から出しても月の紋様が吹き飛んだ月になってしまう。狙うのは剣ヶ峰の建物をシルエットに昇る月、ないしは剣ヶ峰で割れる月光ダイヤモンド富士だ。そもそも割れる月光ダイヤモンド富士なるものが撮影可能なのかどうかにはかなり疑問があり、少しでも雲が出てしまうとまず撮ることが出来ないうえにカシミール3D軌道と月の軌道のずれがどのくらいあるのかもデータが撮れていない。現地に1時間少々前に到着したが、立ち位置とレンズの選択に散々迷った挙句、撮れるかどうかわからない割れる月光ダイヤモンド富士、願わくば月光ティアラを狙って600㎜レンズと200㎜レンズの2本を使って撮ることに決める。GPSに登録しておいた座標点に三脚を構えていざ月の出を待つ。


    こちらが剣ヶ峰を狙った600㎜レンズ。シャッタースピードが1/4秒になるようにIso感度を調整し、静音シャッターで撮影する。


    こちらが200㎜レンズ。600㎜に比べると明るいレンズで、絞りF5.6にしてシャッタースピードとIso感度をその都度調整する。


    もうすぐ月の出だが、富士山の上には雲が出てしまった。

 雲が出ないという前提で撮影場所とカメラを設定していたのだが、月の出の10分ほど前から富士山頂に雲が広がり始めてしまう。しかしその雲、暗闇の中で肉眼で見ていても何やら怪しい輝き方をしている。カメラとレンズの設定を変えて撮影してみると、何という美しい色をしていることだろうか。虹色に輝く月光彩雲になっていた。


    富士山頂に出た雲が何か怪しく輝いている。


    こんな大きなものは初めて見る月光彩雲。月明かりでも虹色に光るのか!驚きだ。


    夢中でシャッターを切る。


    月光彩雲を意識し過ぎてIso感度を上げたのは失敗で、シャッタースピードが遅くなり雲が流れて不鮮明になってしまった。


    剣ヶ峰から月が昇る。


    月が昇って来た頃には不富士山頂の雲が小さくなり、彩雲の輝きも消えて行く。


    もはやこれまで。

 もう1台のカメラは600㎜で剣ヶ峰だけ狙っていたため、彩雲こそ撮れなかったもののそれなりに面白い画像が撮れていた。


    月の出。予定では剣ヶ峰の建物の真ん中に昇って来るはずだったが、内側になってしまった。


    雲が出たのでキラリと輝く月光ダイヤモンドにはならなかった。


    きっちりと剣ヶ峰のシルエットは捉えることが出来た。


    Iso感度を上げて月の紋様に露出を合わせる。少しブレてしまった。


    直後に剣ヶ峰は雲に巻かれてしまった。

 狙っていた剣ヶ峰で割れる月光ダイヤモンド富士の撮影は叶わなかったものの、ほとんど見ることが無い月光彩雲を見ることが出来て十分に満足した撮影となった。現地に出かけてみないと、何が起こるかわからないものである。
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笠富士に昇る月 朝霧高原  平成29年11月2日

2017年11月03日 | 番外編
 雨や台風が続いて3週間も歩いていなかったのに、それにもかかわらず何故か左膝に痛みが出始めたのが10月28日。湿布でもしておけば治るだろうと思っていたのだが次第に痛みが増悪し31日の午後には立ち上がるのも大変になり、遂に11月1日には何かにつかまらないと立てないほどの激痛となり、松葉杖を使うこととなってしまう。整形外科を受診したがレントゲンは異常なく、関節の痛みでは無くてどうやら腱か靭帯の炎症のようだ。とりあえずは痛み止めを飲んで安静することになった。

 11月2日は朝霧高原あるいは猪之頭林道あたりでパール富士が見られる日だった。既にシュミレーションしてGPSに座標を登録してあったが、この膝の痛みでは無理だろうと思っていた。ところが、午後になると少し痛みが和らいできて、松葉杖1本で短距離ならば歩けるようになった。道路沿いで車から下りてすぐ撮れる場所ならばなんとか行けるかも・・・知れない。3時過ぎから朝霧高原に向かう。ところが、甲府を出る時にはライブカメラで見えていた富士山が精進湖まで行くと笠雲をかぶっている。これではパールは無理だろう。笠雲を抜け出た月を狙って予定地よりも北側で車を止めて月を待つことにする。片手で松葉杖をついて片手で三脚を担ぐが、路肩の段差を越えるのに一苦労だ。なにせまだ左足が曲げられず、不安定に足を着地させると激痛が走る。(こんなので撮影に行こうというのが間違っているかも知れないが、折角の撮影チャンスを逃すのも悔しい。)


    本日の撮影地から見る富士山。あの笠雲の中に月が隠れているはずだ。


    日没が迫り、笠雲が薄赤く染まる。


    もう1台のカメラ。


    雲の隙間から一瞬だけ月が現われる。


    同上。予定ではこの残照の時間に富士山頂に現れる月を撮るはずだった。


    笠雲の上に現れた月


    同上


    雲に巻かれる月


    笠雲の上に昇った月


    同上


    雲が虹色に輝いた


    月光に照らされた笠雲が美しい。

 月が富士山の山頂を越えたところで撤収する。撮影に熱中していたら足の痛みも少し和らいだような気がする。

 帰り際に精進湖に立ち寄る。ダブル笠富士を狙うが、霞が少し増えてきて鮮明な画像は得られなかった。


    月光照らすダブル笠富士


    湖面に映る月

 パール富士にはならなかったが、これはこれで良い景色が見られたのではないかと思う。足の故障はもう少し長引くのではないかと思っていたのだが、翌朝には松葉杖無しでも自力でなんとか歩けるくらいまで回復してくれた。しかし、3連休の入山はまだ無理なので、歩かなくて済む場所で月と太陽を追いかけることになるのだろう。
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