山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

撮影成功!多重分割パール富士『月光ティアラ』  平成29年11月4日

2017年11月04日 | 番外編
 多重分割ダイヤモンド富士『ティアラ』の撮影は20回以上挑戦して今年の4月にようやく撮影に成功している。そして月光ティアラも何度かトライしているが、軌道が全く合わない他に暗い中でのピント合わせが難しいこと、さらにはシャッタースピードとIso感度の調整が全くわからず、撮ることは不可能なのではないかと思い始めていた。しかも、月齢13の月では暗くなる前に昇って来るので不可、月齢16を超えると今度は月の上部が欠けてくるので不可、最大で月に2度しかチャンスが無い。たとえ撮れたとしても何年もかかる作業だろうと思っていた。

 前日も月齢14の月を狙ったが軌道が狂っていたうえに雲に阻まれて撮影は不可だった。しかし、前日の失敗は大きな成果をもたらした。それは薄雲が出たおかげで剣ヶ峰の裏側に出た月のシルエットがはっきりと見え、以前に失敗した時のデータと照らし合わせてほぼ正確な月の軌道が割り出せたからである。軌道修正してGPSに撮影場所を登録しなおし、月齢15の月を狙って再度猪之頭に向かう。月が出てくるのは6時15分だが、ピント合わせで何度も失敗しているので今回は日没前の4時半に現地到着し、しっかりとピントを合わせておく。フレアが出ないように今回はBorg36EDとBorg56FLにエクステンダー装着した2本のレンズをセット、8角形の光芒が出るように改造絞りを使用する。


    Borg56EDにエクステンダー装着した600㎜望遠レンズ。風でブレるので三脚はいちばん低く構え、ミラーアップして静音シャッターを切る。


    実際の撮影は真っ暗な闇の中なのでIso感度を6400まで上げる。シャッタースピードは1秒に調整する。


    ほとんど真っ暗な中に月が昇り、光が現われた。


    モニター確認せずにひたすらシャッターを切る。見事に6~7分割していた。


    静音シャッターを使うと連写が出来ないので次のカットがこれ。撮れていたのは1カットのみだが、それでも大収穫だ。


    もう終わり。


    シャッタースピードとIso感度を変えて月を撮る。

 もう1台のカメラはレリースが装着できないミラーレス一眼なので、シャッターを押しっぱなしにするためにゴムバンドを使って細工する。これで連写が可能である。


    しっかり影富士が出る。


    Iso感度6400、シャッタースピード1.6秒で連写。剣ヶ峰の左右から光が出現。


    見事に多重分割してくれた。


    こちらもまともに撮れているのは1カットのみ。


    もう終わり。

 太陽と違ってIso感度を6400まで上げてもシャッタースピード1秒以内で切るのは難しい。そのため月光ティアラは多くて3カットが限界である。立ち位置だけでなく、このIso感度とシャッタースピードの調整が大きな課題であったが、失敗を積み重ねたことでなんとかここまでたどり着くことが出来た。失敗データの積み重ねこそが成功への鍵を握っていると言える。撮れないのではないかと思っていた月光ティアラは撮影できることが証明された。どんなもんじゃ~!
コメント (4)
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