この美しい東京を首都とする日本は1945年以来、完全な意味で独立した国家ではありません。この不愉快な現実へ目をつぶり、甘い幻想でアメリカと対峙しようとした鳩山さんの政治家としての本質的な欠陥こそが、今回の普天間騒動の原因です。
私が日本を独立国ではないと言っているのは卑屈な気持ちで主張しているのではありません。日本の置かれている現実を直視せよと主張したいのです。
一国の独立の度合いは色々な尺度から考えるとかなり明快に評価できます。独立の程度で国々のランキングをつける事も難しくありません。
独立性の強い順に並べます:イラン、シリア、リビア、などのアメリカへ敵対するイスラム圏の諸国、北朝鮮、ミャンマーなどの軍事独裁国家、中国、ロシア、パキスタン、(インド)、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラなどの本質的に反米的性質を持つ諸国。
ヨーロッパで独立性の強い国はポーランド、バルチック3国などのロシアへ敵対する国々。
その他の国々は程度の差があるがアメリカやロシア、あるいは中国の勢力圏にある国なのです。そのような中間的な存在にある国は軍事的に独自で自国を防衛出来ません。従って外交の独立性も弱いのです。唯一、経済活動だけは独自に、自由にできるのです。これが経済のグローバル化をもたらしています。
このように軍事力の独立性、外交の独立性、経済活動の独立性だけを考えても日本のランキングは随分と下の方にあります。アジアでは北朝鮮、ミャンマー、中国、などが真の意味で独立国家です。一番アメリカと深く繋がってその勢力圏に組み込まれている国は韓国と日本です。
ついでに言えば、NATO軍事同盟のヨーロッパ諸国の中で、独立性の高い国はイギリスとフランスです。ドイツにはアメリカの大きな軍事基地がありアメリカと深く繋がっています。東ヨーロッパはロシアの勢力圏です。しかしロシアへ激しく対立し、NATO軍事同盟に加入しているポーランドとバルチック3国は独立国家の色合いが強いようです。特殊な国ですが、スイスは独立性が高い国です。
日本は世界の国々の中でも独立国家としての性格が非常に弱い国の一つです。例えて言えばベラルーシやウクライナがロシアの勢力圏にあるように日本と韓国はアメリカの勢力圏の中に組み込まれているのです。
昔、私はアメリカに4年間在住し、ドイツに2年弱在住していました。彼等は一国の実力を決して経済力だけで比較しません。軍事力や外交手腕を総合して一つの国の実力と見なします。もう少し追加すれば、「マンガやアニメも含めた文化力」も総合的に考えます。
鳩山さんもそうですが、多くの日本人は自分の国の実力を間違って評価しているようです。経済力だけで日本を高く評価し過ぎています。その考えは外国では通用しません。
皆様のご意見を頂ければ嬉しく思います。
今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人