後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

墓参りに行って、本堂のご本尊へ線香を供える

2010年05月11日 | 日記・エッセイ・コラム

お寺の裏に広い墓地があって、檀家の先祖代々のお墓が数多く立っているのが普通です。春秋のお彼岸には家族が墓掃除をして花を供えます。線香も供えます。しかし本堂のご本尊様を拝まないでそのまま帰ってしまう人々が多いものです。先祖は大切にするがお釈迦様の弟子は大切にしていないようです。そのような様子を見て私は困惑しています。本堂の前に進み、賽銭箱に小銭を入れて手を合わせれば良いのです。

昨日、家内の妹の嫁いだ先の両murasaki のお葬式のあった八王子の広園寺へ行きました。お坊さんへ頼んで本堂に上がり、ご本尊の地蔵顔王菩薩様へ線香を供えました。この寺は1387年に創建された臨済宗南禅寺派のお寺だそうです。寺の仏殿のご本尊は弥勒菩薩だそうです。

東京には江戸時代のお寺は沢山あります。しかし鎌倉時代や室町時代のお寺はほとんど有りません。鎌倉幕府のあった現在の鎌倉市には当時創建されたお寺が多く残っています。しかしその他の地域には鎌倉・室町以前のお寺が非常に少ないのです。そんな中で広園寺は貴重な存在でした。しかし、元禄10年(1697年)の大火で総門、仏殿、鐘楼、庫裏の全てが焼失し、山門だけが残りました。

従って現在、一列に並んでいる、総門、仏殿、本堂、そして横にある鐘楼や庫裏はその後の再建によるものです。山門も含むこれらの建物群は室町期の様式を忠実に残しています。東京都の有形文化財になっています。

八王子市の西の郊外にあり近くには万葉公園や片倉城跡公園もあり、散策に良い所です。お寺の前には桐の大木があり見事な花が咲いていました。ご参考までに昔の山門と現在の本堂の写真と桐の花の写真をお送りいたします。

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045_2 曇り空だったので、大木の全ての枝に咲いている見事な桐の花がよく写っていません。

しかしこの様に大きな桐の木は本当に珍しいと思います。一面に淡い紫色の花が咲いて甘い品の良い香りの漂っている光景をご想像頂ければ嬉しく思います。


ピアノ曲のお好きな人へお薦めする映画・・・あのLang Lang の演奏です

2010年05月11日 | うんちく・小ネタ

国際的に活躍している中国の男性のピアニストに朗朗(Lang Lang)という天才青年がいます。彼の繊細でダイナミックな演奏が聞けるのです。マンガを映画にした「のだめカンタービレ」という連続ものの最終編を東宝シネマズ府中で見てきました。映画のストーリーはピアノの修業をしている「のだめ」という女の子と指揮者の男性の平凡な恋物語です。はじめは漫画的に大げさな演技に辟易しました。下らない会話に厭になっていました。ところがピアノが響きだしたら、それは本物です。ショパンやラフマニノフやラベルやベートーベンのピアノの名曲が次から次へと鳴り響くのです。映画館の素晴らしい音響効果が私の体を包みます。すっかり圧倒されました。いやいやながら家内に付き合ってきたことを忘れてしまいました。

終りのほうに演奏されたラベルのピアノ協奏曲には感動しました。それと2台のピアノの為のベートーベンのソナタには、自分の肉体がすっかり音楽の世界に溶け込んでしまいました。ソナタには退屈することが多いのですが、感動でアッという間に終ってしまいました。

この抜群の力量のピアニストは誰か?映画の終わりに出演者などの名前が出てくるとき目を凝らして見ました。最後の方の英語版の画面にLang Lang の名前を見つけて、やっと納得しました。彼こそ中国が世界へ誇れる名ピアニストです。瀋陽に1982年に生まれた28歳のピアニストです。Wikpideaで Lang Lang のことは詳しく紹介されています。以下はその末尾のみの転載です。

(得意とするレパートリーは、チャイコフスキーショパンのほかに、ラフマニノフがあり、生演奏ではアンコールに中国民謡を好んで弾いている。近年は、ダニエル・バレンボイムに本格的に師事していて、アルトゥール・ルービンシュタインがバレンボイムに伝授したルバート奏法などを教わっている。ボストン交響楽団ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団クリーヴランド管弦楽団デトロイト交響楽団ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団サンフランシスコ交響楽団ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団パリ管弦楽団、香港フィルハーモニー管弦楽団、シドニー交響楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団など、世界の主要なオーケストラと共演を続けている。)

さてピアノ音楽の映画として忘れられないのは「戦場のピアニスト」と「海の上のピアニスト」の2つの映画です。しかし両方とも暗いストーリー性が強すぎて、純粋にピアノを楽しむわけには行きません。

今回見た「のだめカンタービレ」最終章は音楽性においては一番優れていると感じました。ピアノ曲の色々な魅力を余すことなく紹介しているのです。演奏が繊細で、ロマンチックな場面、寂寥感を出す場面、歓喜の場面、などなど全ての情感を力強く描き出しているのです。

ピアノ曲のお好きな方々は是非お見逃しないように祈っています。(終わり)


そして又,友人がネット社会から消えて行く・・・

2010年05月11日 | 日記・エッセイ・コラム

ネット社会はバーチャルだから本気になってはいけません。よく聞く言葉です。

しかしネット上だけの付き合いですが、尊敬している友人が又一人去ります。趣味人倶楽部の英香さんです。彼女が趣味人倶楽部を止める決心をしました。ご主人がイギリスの富豪で子育ても英国で済ませた女性です。ロンドンと東京に自宅があり、軽井沢に別荘があります。あまりにも贅を尽くした生活なので一瞬本当かな?と感じたこともありました。しかしその知的な文章を幾つか読むと全て真実であることが分かります。お許しを頂いたので最後のお別れの言葉を以下ご紹介します。そしてその下に「人種差別」に関する文章の一部を転載しました。イギリスに長年住んでいないと絶対に分からないことが書いてあります。私がこのブログで人種差別の問題を何回も書いていた頃に発表された随筆風の彼女の日記です。

聡明で、勇気があり、ネットの上でも誠実に執筆していた英香さんの末永いご健康を祈りつつ、以下に文章をご紹介いたします。

―――英香さんのお別れの言葉―――

軽井沢の夏の季節は思いの外短く、6月も下旬になると夏は駆け足でやって来ますが、8月の中旬を過ぎる頃には、又駆け足で去って行きます。
森に暮らす人々は、そんな夏の季節を惜しむように・・・短い時間の中で、自然や花や森の動物達と戯れ・・・短い時間の中で、森のコンサートを楽しみ・・・短い時間の中で、名店の美食に舌鼓を打ち・・・短い時間の中で、親交を温め合います。
私の軽井沢も、毎年そんな風にして瞬く間に過ぎて行きます。
軽井沢の夏の終わりは、私にとって日本での生活の終わりでもありますが、今年は英国に戻りますと、今秋竣工式を迎える新クィーンエリザベス号による長期航路の船旅に出る事にもなり、これから当分の間、PCを少し離れて現実社会に重点を置いた生活が続く事になりそうです。
趣味人倶楽部に入会して一年半・・・日記を書き始めてまだ半年と、決して長い在籍期間ではありませんでしたが、私にとりまして初めてのネット社会への参加でした。
バーチャルの世界とは言え、ここ趣味人の世界はまさに現実社会の縮図であり、笑いあり、涙あり、真心あり、そして愛憎もありと・・・とても人間味溢れる世界である事を知った事は、目からうろこの体験でした。
自分の日記を公開するという非日常的な行為は、子供の頃学校で作文でも発表した時のような、懐かしい気分を味あわせて頂きましたし、同時に、皆様方の真摯な生き方を拝見する中で、沢山の事を学ばせて頂きました事は、この趣味人に入会致しました何よりの収穫だったと、感謝致しております。
ですが、そろそろこのマイページを閉じさせて頂く時期が来たと感じております。
突然ではございますが、5月15日(土)を持ちまして皆様方とお別れすることになりました事を、ここにご報告させて頂きます。
又、何処かで別な形でお会いする事もあろうかと存じますが・・・その日まで、皆々様の益々のご健闘を心からお祈り致しまして、お別れの言葉と致します。               英香

―――以下は英香さんの英国における人種差別に関する文章の末尾ですーーー

英国での子育ての過程で、子供が学校側から差別を受けた事は全く無かったし、むしろ理数系に強い日本人の子供達は、英語も出来ない内から英雄扱いされ、先生達は人種にかかわらずその子達の能力を更に伸ばす努力を惜しまなかった。
娘が、その時々で最高峰の教育のチャンスを与えられたのも、そんな教師達の並々ならぬ指導のお陰だったと感謝している。
英国は、今では私にとって世界で一番住みやすい国になった。

ただ、一つ付け加えなければならない重要な事は、英国には差別はともかく『区別は』間違いなくある・・・という点である。
住む地域や学校、街中の酒場に至るまで、見えない糸に区切られて、しっかりと区別されている事である。
「階級社会とは互いに無用な摩擦を避ける為の『差別』ではなく『区別』なんだ・・・」と力説していた英国人の友人の言葉が、深い意味を持っているようで、印象に残った。(終り)本年3月11日掲載日記

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今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人