日本には昔から和歌、俳句、などを趣味とする人々もが居ました。また囲碁、将棋、盆栽作り、釣り、などもありました。それに茶道や華道もあり、趣味生活は、日本の文化を支える重要なものでした。
その上、明治維新とともに、2300人ものお雇い外国人が日本に来ました。そしてその他に数多くの宣教師も来ました。
彼等が欧米流の趣味も持ち込んで来たのも自然の成り行きと思います。
仕事を止めて引退すると時間に余裕が出来、趣味に打ち込むようになります。このようにブログへ駄文を書くのも私の趣味の一つです。そこで趣味とは何であるか?とか趣味は何故重要か?趣味は本当に人生を豊かにしているか?などと、次から次へと疑問が湧いてきます。
最近、上高地の梓川のほとりで英国人の牧師のウオルター・ウエストンさんが日本へ登山というスポーツの趣味を伝えたという碑文を見ました。私たちがごく当たり前のように、「登山が私の趣味です」などと気軽に言いますが、その趣味は明治28年までは日本に存在していなかったのです。それまでの登山は趣味ではなく、山岳宗教の修業でした。
そこで目から鱗が落ちました。多種多様な趣味は欧米流の趣味と東洋流の趣味に大別される事実に気がついたのです。碑文とウエストンさんの胸像の写真を撮って来ましたが、写真がブログのプロバイダーの故障で消えてしまいました。代わりに大正池から見た穂高連峰の写真をしめします。
欧米流の趣味は野球、サッカーやヨットに代表される各種のスポーツからヨーロッパ音楽、西洋絵画の趣味、外国文学を読む趣味、はてはワインやウイスキーを研究する趣味やフレンチやイタリアンの料理を作る趣味など実に多種多様です。
一方、東洋趣味には中国の書道、唐の文学趣味、インドの哲学を研究する趣味から日本の万葉集や源氏物語を愛読する趣味など多彩にあります。勿論、南画、水墨画や浮世絵趣味などもあります。
そこで、面白い事に気がつきました。私は今まで「日本人らしい日本人」と「欧米人のような日本人」と2つに分類して人々と付き合って来ました。
付き合う人々の分類結果と、趣味の関係を見てみると日本人的な人は日本的な趣味や東洋の趣味を持っているのです。欧米人のような日本人は欧米流の趣味を持っていることが多いのです。
貴方の欧米化の程度の判定は趣味を見れば簡単に判定できます。趣味がない人は日本人的な人です。ご心配には及びません。
ついでにもう少し書きます。「欧米人のような日本人」は「利己的で尊敬出来ない欧米人のような日本人」と「博愛精神に富んだ立派な欧米人のような日本人」の2種類に分類出来ます。私はつい前者になり勝ちですが、後者になるように努力しています。それを助けてくるれるのがキリスト教の信仰です。
若い頃は、欧米人が偉くて、東洋人が劣っていると思っていました。ところがそれはとんでもない間違いだったと気がついたのです。24歳でアメリカへ留学した時に気がつきました。
欧米化した日本人が本物の日本人より偉いなどどいう事は絶対にありません。その逆も間違っています。人間は皆が等しく貴重な存在なのです。
その上で、暑い夏の日の午後の暇つぶしに、貴方や奥様の欧米化の程度を判定して見ませんか?何かしら思い当たることがあって面白いと思います。
詰らないことを書いてしまい恐縮です。これ以上の暇つぶしは止めます。(終わり)