昨日の夕方、客船、飛鳥IIに乗って、東京、晴海埠頭を出港しました。夜に相模湾を一回りして、今日の午前中に横濱、大桟橋へ帰ってきました。浦賀水道を抜け、三崎港沖を右折して、油壺沖、佐島沖、葉山沖、鎌倉沖、真鶴沖、熱海沖、伊東沖、稲取沖と回ります。そして朝に観音崎を回って横浜の大桟橋へ着岸する相模湾周航の旅でした。
船の旅は時間がゆっくり流れます。客船の中で人々が幸せそうにしています。昨年、大震災がありましたが日本は豊かになったという感慨に打たれます。そして、つい昔の事を思い出します。戦中、戦後の苦難の時代を思うと、このような時代が来るとは想像も出来ませんでした。
そしてこの客船が建造された三菱重工、長崎造船所では戦艦武蔵野も作られた事を思い出しました。
戦艦武蔵は総トン数が72000トンで長さが263m、そして速力は27ノットでした。呉の海軍工廠で出来た戦艦大和の後で作られた姉妹艦でした。
一方、飛鳥IIは1991年に同じ長崎造船所で建造された客船です。総トン数は50200トン、長さは241mで、速力は21ノットです。戦艦武蔵より一まわり小さいと言えます。
長崎造船所では武蔵以外にも数隻の大きな戦艦を作ったのです。
その造船技術のお陰で、戦後の日本が大型客船が作れるのです。
飛鳥IIは総トン数5万トンですが、長崎造船所は10万トン級の客船も建造し、外国の会社へ納入しています。
第二次大戦中の技術者の努力のお陰で、現在の日本には素晴らしい客船の建造技術があるのです。
そして大戦中に国の為に命を捧げた全ての人々のお陰で今日の日本の繁栄があるのです。戦中、戦後育ちの私は客船に乗るとどうしてもこんな事を考えてしまいます。
それはそれとして、これから連載で、「客船の小さな旅の風景」をお送りしたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
下に戦艦武蔵(手前)と大和の写真です。そして、その下に、戦艦武蔵が作られた長崎造船所で出来た飛鳥IIの写真をお送り致します。(続く)
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