左は奈良市ある薬師寺の中金堂の写真です。薬師寺は710年の創建です。中金堂もその時完成しました。
7回、火災にあいましたが、毎回、創建当時の図面通り再建されてきました。
これを解体して、古い柱をカナダ産のヒノキで作っているそうです。宮大工の滝川昭雄さんが今日の読売新聞の「時代の証言」の16回目に話しています。
直径80cmで、長さが10m以上の柱を作るには、根元の太さは150cm以上ないと作れない。まっすぐで、先まで同じ太さの木でなくてはいけないそうです。
そんな太いヒノキは日本の山にはなくなったのです。
ですから、時代によって奈良市内のお寺に使われる太い柱の材木が変わってきたのです。
左が現在、カナダ産のヒノキ(イエローシダー)の柱で補修をしている中金堂のようすです。
奈良時代のお寺の柱の材木は、
ヒノキ。
平安時代のお寺の柱の材木は、
スギ。
鎌倉時代のお寺の柱の材木は、
ケヤキ。
室町時代以降ののお寺の柱の材木は、マツも使われている。
この事実は日本の山に、根元の直径が150cm以上のヒノキ、スギ、ケヤキ、マツなどが消えてしまったそれぞれの時代を示しているのです。
宮大工は日本の森林の姿が時代によってどのように変わった行ったかをよく知っているのです。驚きです。ちょっと面白い話なのでご紹介しました。(終り)
あなたには愛国心がありますかと聞かれると返事に困りませんか?
あまりにも曖昧な質問でもあり、日本の軍国主義時代のことを連想したりして返事に困るのが普通ではないでしょうか?
愛とは自分以外の対象を大切にする心です。日本を大切に思う心が愛国心なのです。すると、ほとんど全ての日本人に愛国心があることになるのです。
この連載記事ではこの「愛国心」と「地球を大切に思う心」にまつわるいろいろな問題を書き進めて行きたいと思います。
今日は愛国心の面倒な定義を省略して、その実例を少しだけ示しながら考えて行く発端にしたいと思います。
まず新聞のスポーツ欄を考えて見ましょう。日本の選手が国際試合で勝つと大きな記事になります。オリンピックの報道では日本が獲得したメダル数が毎日報道されます。日本の国技と言われている柔道の試合結果は特に大きな紙面を使って報道されます。日本が惨敗するヨットの結果は無視されます。ヨットだけではありません。メダルも取れない種目は無視です。
ナデシコ・ジャパンが優勝するまで女子サッカーの国際大会が存在していたことすら知りませんでした。
このような報道姿勢はスポーツに限ったことではありません。
音楽やバレエの国際コンクールで日本人が優勝すると大きなニュースになります。負ければそんな国際コンクールは無視されます。
何故このような報道姿勢になるのでしょうか?それは読者がそれを望むからです。
読者が日本の優勝を応援しているから結果が知りたいのです。
日本人の選手を応援するのは一つの愛国心の表れです。愛国心の一つの実例です。日本のマスコミは日本人の愛国心の表れ方を示しているのです。
しかし一方少し視野を広げて考えて見ましょう。
すると愛国心の表れ方は国々によって大変違う事に気が付きます。
昔、アメリカに在住していた時に気が付いたのですが、新聞やマスコミ報道ではオリンピックの全種目の結果を国籍に関係なく公平に報道しています。
スポーツな好きな人々は競技選手の演技の内容と、世界記録の更新に興味があるのです。選手の国籍はあまり興味がありません。アメリカのマスコミはそれに答えているだけです。
そうだからと言ってアメリカ人に愛国心が無いわけではありません。その表れ方が日本人と非常に違うだけです。
私は24歳になるまで自分の愛国心に気がつきませんでした。深く考えいませんでした。24歳の時、オハイオ州へ留学してから深く考えるようになったのです。
それ以来、いろいろな角度から「愛国心」を考えてきました。そしてその延長のように「地球を大切に思う心」も沸いて来たのです。今日から何回かにわたってそのいろいろを書いて行きたいと思います。
日本や地球へ対する「思い」は人それぞれです。どうぞ皆さまのご意見を送り下さいますようにお願い申し上げます。明快なコメントは改めて、ブログの本ページに再録し皆様へご紹介したいと思います。
尚、桜を大切にするのも愛国心と深いところでつながっていると思います。そこで2年前の春に撮った福島市郊外の花見山公園の桜花の写真をお送りいたします。
それはそれとして、
今日も皆さまのご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)