この冬は寒さが厳しく、梅の花の開花も遅れています。太陽の射さない曇り日は気温が4度や5度どまりの日々が続きます。
電気やガスを節約するために、なるべく一室だけ暖房をして暮らしています。しかし、もっと暖房にお金をかけようという考えも起こります。廊下もトイレも常時温かくしたいのです。
ところが今日の午後にフト思い出したことがありました。昔の農家にはイロリ以外に火の気が無かったのです。そのイロリも夜になって夕食の味噌汁を作るときにしか薪を燃やしません。いつも火を焚いていたら薪がアッという間に無くなってしまうのです。
そこで小平ふるさと村にある昔の農家の座敷に上がり込んで、しばらく坐ってみました。
障子が開け放ってあるので外に坐っているのと同じです。風が少し弱いだけです。坐っているうちにブルブル震えだしました。縁側から出て、囲炉裏のある台所の方へ回ってみました。薪が燃えていません。炭火の熾きが灰に埋めてあり、そばに「薪をくべないで下さい」という看板が置いてあります。成程、これでは寒い筈です。
私の山の小屋で薪ストーブを時々炊きますが、驚くほどの薪を消費するのです。
ですから暖房を薪に頼ったら日本の山々が剥げ山になってしまいます。
しかし一部屋だけを、ガスや灯油を燃料にした暖房で日本中が我慢すれば日本のエネルギー事情が一変すると思います。電力暖房は原発による発電の必要性へ繋がります。
福島の原発の爆発からもう一年がたちます。日本中の住宅で冬は一部屋だけの暖房で我慢すれば原発は不要になるのです。現在、日本にある54基の原発のうち52基が止っています。事故や定期検査で停まっているのです。動いている2基も定期検査で間もなく止まります。
兎に角、原発をすっかり止めても電力はなんとか間に合うのです。
ここで国民が節電に努力すれば電力に余裕も少し出てくると思います。
昔の農家の寒さを想像しながら節電の努力をするのも悪くない。そんな事を考えながら「小平ふるさと村」と歩き回ってきました。今日の散歩でした。(終り)