日本のカトリックの一般信者の多くはイタリー語が話せませんし、ローマに住んでいた人も少ないのです。ですからローマ法王とはなんとなく距離感を持つのは仕方のないことです。
カトリックの組織は全て直接ヴァチカンの教皇庁の傘下になっていて、本来は距離感は生じない筈ですが、欧米のカトリック信者のように教皇を気軽にパパ様とは呼べる雰囲気ではありません。
しかし現在のフランシスコ法王は実に気さくな方で、世界各国の一般信者、とくに貧しい信者からは親しみをもって慕われています。
貧富の差が激しい南米から初めてローマ法王になって、いつも貧困階級に寄り添っている様子が従来のローマ法王とは非常に違う様子です。
今日のミサの共同祈願で、フランシスコ法王が以下の祈りをして下さいと全世界の一般信者に頼んで来たのです。
「教皇フランシスコの招きに応え、イスラエルのペレス大統領とパレスチナ自治政府のアッパス議長が本日聖霊降臨の主日に、初めてヴァチカンで教皇と共に平和のために祈りをささげます。主よ、聖ペトロの墓から発せられた平和への祈りが世界の隅々まで広がりますように祝福してください。」
ローマ法王が、アメリカでさえ仲裁出来なかったイスラエルとパレスチナ自治政府の仲裁をして、和平交渉に結着をつけようという試みなのです。
本来、ローマ法王はこのような政治問題には直接かかわらないものです。
しかし、フランシスコ法王は5月26日にイスラエルを訪問し、パレスチナ難民と会い、その貧しさに心を痛めたのです。
なんとかならないか?自分には仲裁する政治的能力があるだろうか?自問し、自問し、これは神に祈る他は無いという結論になったのです。
そして自分だけが祈るのではなく、全世界の一般信者にも一緒に祈って貰おうと考えたに違いありません。
フランシスコ法王の気持ちを想像すると、その人間的な考えに親しみを覚えます。法王との距離感が無くなりました。
新聞によると安倍総理も会見し、来年には来日する運びになりそうです。
嬉しいことなので書いてみました。
下に安倍総理のローマ法王訪問に関する朝日新聞のニュースを転載します。
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王との会談で、贈り物の「魔鏡」について説明する安倍晋三首相=6月6日、バチカン、越田省吾撮影
欧州訪問中の安倍晋三首相は6日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王とバチカンの法王宮殿で約20分間会談した。安倍氏は法王に対し、2015年中の訪日を要請した。
15年は、明治期に布教を再開した欧州からの聖職者が、隠れキリシタンと出会った「信徒発見」から150周年だ。また、支倉常長が率いた慶長遣欧使節がローマを訪れ、法王パウロ5世と会ってから400年の節目でもある。日本のカトリック司教協議会は、法王の来日を招請している。