アメリカ同時多発テロ事件は2001年9月11日に起きました。それが新しい戦争の始まりでした。
強大なアメリカとその同盟国が、各地に蔓延するイスラム過激派との終わりなき戦争を始めたのです。
アメリカ陣営は同時多発テロ事件の報復としてアフガニスタンとイラクで大規模な戦争をして両国を占領しました。パキスタンに潜伏していたビン・ラーデンも特殊部隊の強襲で暗殺しました。
これですべては平和になる筈でした。
しかしアメリカ軍が撤退した後のアフガニスタンとイラクでは、イスラム教の宗派別同士の内戦が熾烈に続いているのです。
シーア派の大国イランが同じシーア派のイラク現政権を軍事的に支援し、その宗派間の戦争は一層激しくなっているのです。
イラクの政権が戦っている相手はシリアから北部へ侵入してきたスンニ派の過激組織の「イラク・シリアのイスラム国」(ISIS)です。
ですからイラク南部のシーア派の各組織はISISを撃退するために多数の志願兵をイラク北部へ送っているのです。
そしてシーア派のイラクの現政権を支援するためにアメリカは航空母艦・ジョージ・ブッシュをペルシャ湾に送ったのです。
このニュースを子細に見るとイスラム教のいろいろな派閥が自前の軍隊を保有してお互いに争っている様子も見えてきます。
同じシーア派の中にもいろいろな派閥があって勢力争いをしています。その様子は中世さながらの部族抗争とそっくりです。
政治と宗教を分離するという欧米流の考え方が完全に拒否されているのです。このような社会ではイスラム教の宗派の存在が直接戦争の原因になっているのです。
イスラム過激派の戦争行為は中近東にかぎらずアフリカにも広がっているのです。今日の新聞ではアフリカのナイジュリアでイスラム過激派が200人の女子生徒を拉致し、奴隷として売り飛ばそうとしてるというニュースも出ています。このような暗黒社会が21世紀のこの地球上に存在しているのです。
何時も宗教を擁護し、その重要性を主張する文章を沢山書いている小生は本当に悲しくなります。暗い気持ちになります。政治と宗教を分離しても戦争は無くならないと思いますが、少しは明るい気分になるのではないでしょうか。
ブラジルのワールドカップ・サッカー大会で多くの人々が楽しそうにしています。しかし同じ地球上で戦争をしている人々もいるのです。人間の愚かさに暗然としているのは私だけはないと信じています。
暗い記事になりましたので挿絵代わりの写真はアジサイの花の写真をお送りします。先日、東村山市の北山公園で撮った写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。
後藤和弘(藤山杜人)
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