後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

戦場カメラマンが福島原発現場に入れない!・・・東電の厳重過ぎる報道管制を非難する

2011年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム

福島県に多くの強制避難民を生じさせた東京電力は自社敷地内へ記者やカメラマンを立ち入り禁止にしています。株式会社の敷地へ関係の無い人の立ち入り禁止にする権限は平時には認められています。企業秘密も認められています。

しかし、原発の大事故の後でも認めて良いものでしょうか?社会的に大きな被害を作っておきながら、平時の権限をそのまま使っている東京電力と、それを認めている日本政府へ強く抗議いたします。

原発現場の写真は東電側が撮影したものの中から意図的に選んだものだけを時々マスコミ発表をしています。

今回の海水中断騒動も現場に記者を入れて、吉田所長や作業員へのインタビューを度々行っていたら防げた筈です。現場指揮官が記者会見が出来ないようにしているのは東電の閉鎖的な体質なのです。

戦争が起きれば従軍記者や従軍カメラマンが多数最前線に行き、独自の取材をします。隊長や兵隊のインタビュー記事が新聞に出ます。アメリカ軍では軍医や従軍牧師まで前線へ行くのです。

最近、テレビタレントになった従軍カメラマンは福島原発現場へ行こうとしなかったのでしょうか?

日本社会はアメリカのように個人の自由と尊厳を守ると言います。しかし東電という組織を尊重して、吉田所長という個人の自由と尊厳を踏み躙るような社会なのです。その事に政府も国民も気づいていないとしたら大変悲しいと、お思いになりませんか?

皆様からのご意見をお待ちしています。(終り)


海水注入を中断しなかった福島原発、吉田昌郎所長の何処が正しくて、何処が間違っていたか?

2011年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム

原発がつぎつぎに爆発していた修羅場の現場指揮官が参謀本部の命令に反したのです。現場指揮官は福島原発の吉田昌郎所長です。

参謀本部は政治的な雑音を考慮して、折角始めたばかりの海水注入を中断すると決定し、その会議に出席していた吉田所長は中断する筈でした。

しかし彼は注入中止は炉心圧力容器の爆発を起こすと判断して、注入を独断で続行したのです。

一体、吉田所長の何処が正しくて、何処が間違っていたのでしょうか?

この疑問に対する解答は、戦争の場合の参謀本部と前線指揮官との関係を見ると明快すぎるくらいはっきりと分かります。

前線指揮官は戦場の状況を一番良く知っている立場にいます。

参謀本部は多くの前線の勝敗の情報を広く知る立場にあります。

その参謀本部が総合的判断にもとづいて出す命令は大局的には正しいのです。前線指揮官は原則として参謀本部の命令に従うべきです。

しかし前線指揮官が現場の状況から兵隊の犠牲を最小減にする義務も負っています。大きな犠牲を生じるような参謀本部の命令に従う必要は無いのです。その判断は前線指揮官へ任されているのです。

そういう場合は、参謀本部の命令へ全て従う必要はありません。

しかし命令に従わなかった場合は、即刻、参謀本部へ何故命令に従わなかったかの理由を報告する義務があります。

こういう事は第二次世界大戦の間に度々ありました。ヒットラーの命令に服さなかった東部戦線の将軍たちはその顕著な例です。

そうすると福島原発の吉田昌郎所長の事は明快に分かります。

海水注水中断は一層大きな悲劇を生むと判断して、前線指揮官の吉田所長は命令に服さず、注入を続行したのです。これは正しい事でした。たとえ間違っていても、その判断を任されているのです。今回は結果的には正しかったようです。

しかし彼は大変大きな間違いを犯しました。命令に服さなかった事実を2ケ月以上経過してから参謀本部へ報告したのです。その結果、東電の本部は社会へ大きな不信感と混乱を与えたのです。これが吉田昌郎所長の罪です。処分を受けるのはやむを得ないのです。

しかし、ここで再び、「しかし」と書く私の心は憂鬱です。今回の現場指揮官の情報隠蔽行為は東京電力という会社の暗い雰囲気を描き出しているからです。

東京電力の各所に散在する現場の人間が本社を全く信頼していないのです。対立しています。確執が、そして暗闘が充満している会社です。

東電の情報隠蔽体質は幹部だけでなく、社員全員に浸透しているのです。実に困ったものです。数多くの立派な社員が居るのに残念です。

それはそれとして、

今日もも皆様のご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人


園芸種の花々も美しいものですね

2011年05月26日 | 写真

野に咲く小さな花々も可憐で美しいものです。そして園芸種の花々も大切に交配して、丹精込めて育てあげた人々の気持ちが偲ばれて、感慨深いものです。

近所を散歩しながら見た花々の写真です。門の外や塀の外へ咲きだしていて、通る人々の心をなごませてくれます。写真をお楽しみ頂ければ嬉しく存じます。

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尾根づたいの多摩の横山道をドライブする度に悲しくなる、恐ろしくなる

2011年05月26日 | 日記・エッセイ・コラム

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府中の是政橋を渡って、稲城市の向陽台へ上がると、そこから尾根づたいに、多摩市、八王子市を抜けて神奈川県の相模原市に抜ける立派な自動車道路があります。

その道路は、律令国家が出来、武蔵国の中心が府中になった頃から、人々が足しげく通っていた尾根づたいの山道に沿って出来ています。

その辺の山々を多摩の横山といい、万葉集にも歌があります。九州の防人に駆り出された村人が若い妻に見送られながら旅立っていった所です。放し飼いになっていた馬をつかまえられなくて、夫が徒歩で旅立って行くのです。防人になって帰って来た人は殆ど無かったのです。戦死や疫病になって死んでしまうのです。その夫婦の別れの悲しみが歌になって万葉集に残っています。

現在の尾根の幅広い舗装道路からは、富士山が見え、美しい風景が広がっています。左右には人家が無く、贅沢なつくりの舗装道路が何処までも真っ直ぐのびています。何となく淋しい、しかし立派すぎるくらいな道路なのです。

そこを独りでドライブしていると、昔の夫婦の別れの辛さを思い出し、悲しい気分になります。

そして立派すぎる道路なので、怖くなるのです。戦中、戦後の食糧の無い時代に育った私には贅沢過ぎる道路なのです。戦中、戦後は自家用車など夢の、また夢でした。舗装道路などは都会の中心街にしか無かったのです。人間はこんなに贅沢をして、本当に良いのだろうか?何故か恐怖感が湧いて来るのです。

それは理由の無い恐れです。戦中、戦後の耐乏生活の経験のある人だけが感じる恐ろしさなのです。戦後生まれの日本人には分かって貰えない恐怖感です。

そのように感じる人々もやがて死に絶えてしまいます。そこでこのような感情もあったのですと記録に残したいと思い駄文を書きました。

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今日の散歩・・・ポプラの並木道を歩く

2011年05月26日 | 写真

015 最近は武蔵野の雑木林の中を歩いたり、日本古来のキスゲ、ノバラ、ハコネウツギ、ヤマボウシ、ムラサキツユクサ、ハルジオンなどの写真を撮りに行ったりしてきました。

日本の原風景をもとめてさ迷い歩くような散歩でした。

そこで今日はヨーロッパの風景を求めて、新緑のポプラ並木の道を散歩して来ました。田無にある東大の農学部付属農場です。一般へ開放していて、手入れの悪い公園のようになっています。

ところが建物群の裏に回ると広々した牧草地になっていて、その中にポプラ並木が続いています。

札幌の北海道大学のポプラ並木と同じような風景が広がっています。あいにくの曇天で写真が暗いですが、お楽しみ頂ければ嬉しく思います。

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日本は30年かければ脱原発が出来る!・・・現実的な計画を作る重要性

2011年05月26日 | 日記・エッセイ・コラム

現在、マスコミやネットの世界では、反原発が優勢です。しかしそれは感情論であります。「反原発!」は軽薄な流行語として世間に流れているようでもあります。

反原発を叫ぶ人へ、「あなたは停電になっても良いのですか?」と聞けば、叫び声が聞こえなくなります。

原発を止めれば日本の工業の国際競争力が小さくなり、あなたの生活が苦しくなります。それでも良いのですか?

こういう理屈で原発反対運動が弱くなります。これが日本の現状です。

しかし、ここで合理的な計算をして、深く研究してみましょう。

停電もなく、生活レベルの低下もなく、原発を止める方法を深く研究するのです。

ドイツは11年かけて原発を止める計画です。スイスは23年かけて止める計画を発表しています。それでは日本は30年かければ原発を止める現実的な実行計画が作れる筈です。

54基ある原発を耐用年限が近づいているものから順次やめて行くのです。

30年かけてゆっくり止めながら、はじめは石炭火力や天然ガス火力へ置き換えて行きます。その30年の後半にはこれらの火力発電を太陽光発電、地熱発電、風力発電へ置き換えて行くのです。

その頃になると技術が進歩して、太陽光発電、地熱発電、風力発電の発電コストが下がって行きます。政府のエネルギー政策が30年後の脱原発を決定すれば、日本の優秀な技術力で必ずやそれを達成出来るのです。

そこで以下では、原発推進論者の反論へ、私の反論を簡略に書きます。

(1)原発の発電コストは一番安い。日本の国際競争力の維持の為には原発を推進しなければ日本は生けて行けない。

ごもっともです。しかし原発の発電コストの従来の計算では使用済み核燃料の再処理コストと埋没坑道の掘削コストや10万年間の地下管理コストが含まれていません。従来の原発の発電コストの計算は合理的な計算ではないのです。もう一度、いろいろな立場の人に原発の発電コストを計算して貰う必要があります。

(2)火力発電の燃料は中近東のイスラム圏から輸入している。燃料の輸入の安全保障の観点からイスラム圏に頼らない原発の比率を上げていることが日本の安全保障の上で絶対に重要です。

一見、ごもっともなご意見です。しかし火力発電の燃料を石油から天然ガスと石炭へ替えて行けば、ロシア、カナダ、アメリカ、南アメリカ、オーストラリアなどから安価に輸入出来るのです。燃料輸入の安全保障を叫ぶ人の視野が狭いのです。

念の為に言えば、原発の核燃料はフランスなどから輸入しているのです。ですからこそ、サルコジ大統領が血相変えて、すぐに日本へ飛んで来たのです。

(3)火力発電は炭酸ガスを多量に発生するので、それが無い原発を増加する事は地球温暖化防止のため不可欠です。

これは私も賛成です。しかし放射能を空中にまき散らしたり、地下深い坑道に、多量の危険極まりない核燃料を埋蔵するよいりは、炭酸ガスの方が無害です。

原発完全廃止までの30年間で、火力発電から出る炭酸ガスの排出量を現在の半分以下にする技術は可能です。上手くすると排気ガスから炭酸ガスを吸収し、浄化する排ガス処理技術が格段に進歩するかも知れません。現在でも火力発電の稼働効率を上げただけで炭酸ガス排出量を大きく減少出来るのです。

磯子石炭火力発電所の先端技術を外国へ輸出すると13億トンの炭酸ガスが削減出来るのです!

 をご覧下さい。

さて原発推進論者は他にもいろいろな理由を言います。それに反論しているとこの記事があまりにも長くなるので、今朝はここで一旦止めて、それは続編でする事にいたします。

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人


今日の散歩・・・雑木林の景観を求めて、、、

2011年05月25日 | 写真

以前、東京近郊には緑豊かな雑木林が散在して、里山の景観が楽しめました。しかし近年では宅地になってしまいました。最近では所沢市の向こう側の農村地帯へ行かないと本物の雑木林が見られなくなりました。今日は午後から車で所沢の北側の農村地帯をウロウロしました。写真を撮ろうとすると高圧線が横切っていたり、洒落た住宅が一緒に写ってしまいます。場所の選定をしているうちに所沢市カルチャーパークに奥深い雑木林を見つけました。誰も遊んで居ない淋しい公園です。

雑木林のお好きな方々へ以下の写真をおおくりします。

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8910トンもの使用済み核燃料を埋める穴を一刻も早く掘るべし!

2011年05月25日 | インポート

日本には原発が54基もあり、その原発のある工場内に貯蔵プールの中に使用済み核燃料を永久冷却を続けながら保管しています。停電があり、循環水が止まれば水素爆発が起き、放射能が空中へ飛散します。

フィンランドでは使用済み核燃料を埋めるために地下700mの坑道を掘っていて来年から核燃料を実際に埋めはじめます。

日本はその穴を掘る場所さえ、まだ決定していません。

以下の表に示すように総量8910トンの使用済みの核燃料が溜まっていて、各原発敷地にある貯蔵プールで冷却中です。

保管能力が満杯になりつつある事業所は、福島第二原発、柏崎刈羽、浜岡、美浜、高浜、大飯、川内、東海第二などです。保管能力の70%から95%へせまっています。

原発の全体的な安全操業をするためには、まずも8910トンの使用済み核燃料を坑道深く埋めてしまうべきと思います。

皆様のご意見はいかがでしょうか?

下の表の出典:http://www5a.biglobe.ne.jp/~genkoku/kohza-003.htm 

各原子力発電所(軽水炉)の使用済み燃料貯蔵量及び貯蔵容量
(平成12年9月末現在)
電力会社名 発電所名 1炉心(tU)
( )は1取替分
使用済燃料
貯蔵量(tU)
管理容量
  (tU)
占有率
 (%)
北海道電力 100  (30) 240 420 57.1
東北電力 女川 160  (40) 190 370 51.4
東京電力 福島第一 580 (150) 1,100 2,100 52.4
福島第二 520 (140) 1,250 1,360 91.9
柏崎刈羽 960 (250) 1,370 1,890 72.5
中部電力 浜岡 420 (110) 720 860 83.7
北陸電力 志賀  60  (20) 30 100 30.0
関西電力 美浜 160  (50) 280 300 93.3
高浜 290 (100) 800 1,100 72.7
大飯 360 (120) 670 840 79.8
中国電力 島根 170  (40) 270 440 61.4
四国電力 伊方 170  (60) 330 530 62.3
九州電力 玄海 270 (100) 420 1,060 39.6
川内 140  (50) 570 700 81.4
日本原子力発電 敦賀 140  (40) 430 870 49.4
東海第二 130  (30) 230 260 88.5
合計 4,630(1,330) 8,910 13,190 67.6
注)管理容量は、原則として「貯蔵容量から1炉心+1取替分を差し引いた容量としている。


全ての原発炉の底が抜ける悲劇と、再臨界が無かった幸運

2011年05月25日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、今朝のマスコミ報道によると3つの原発炉の核燃料棒が全て熔け落ちていることが明らかになりました。

そして熔け落ちたウランやプルトニウムの酸化物が炉心圧力容器の底に溜まり、底の配管貫通部分に隙間を作り、原子炉格納容器にへも漏れ出しているという発表がありました。

更に原子炉格納容器へ幾ら注水しても水位が上がらないので、その底の近辺に割れ目や穴が出来ているということも分かりました。

すると当然の事ながら核燃料物質の粉が水に溶けたり、懸濁して格納容器から流れ出て、地下室に溜まり、溢れて地中へ沁み込んでいるのです。

このような悲劇的現象は3月15日までに起きてしまっていたのです。

3月15日に全ての最悪の現象が起きてしまって居たのです。

その後は注水を続行して炉心の温度が上がらないように努力して来たのです。しかし注水した分だけ汚染水が出来、それが地中へ沁み出しています。この状態が何時までも続くという事も分かりました。

3つの原発の炉心が全て熔け落ち、底に穴を開け、炉心の汚染水が流れ出ているという明快すぎる解析結果が発表されたのです。驚愕したのは私だけでしょうか?

このニュースを見た国民はきっと大きな驚きを覚え、暗い気持ちになったと思います。

このブログでは、このような悲劇的な現象を予想した記事を度々掲載してきました。その予想が現実になってみると、その恐ろしさに手が震えます。皆様は平静なお気持でいられますでしょうか?

しかしよく考えて見るとこんな大きな悲劇の中にも幸運な事があったのです。それは炉底に熔け落ちた核燃料が再臨界状態になって、核連鎖反応を始めなかった事です。

新聞の炉心部分の図面は間違っています。熔け落ちた核燃料が大きな塊になって、その中心部分が赤く、熔けた液体になっているように描いてあります。これがウソなのです。

圧力容器の底には100本近い制御棒が貫通して立っています。その一部は損傷しいているでしょうが、水に漬かっている部分は健全に立っている筈です。何故なら炉底には注水した水の一部が溜まっているからです。

従って、熔け落ちた核燃料は制御棒の隙間へ流れ落ち、水に急冷され粉化し、下に沈殿します。従って炉底の核燃料は制御棒の間の隙間に溜まっていて、大きな塊になっている訳ではありません。

これこそが最大の幸運と私は感激しています。

再臨界が起きれば炉底が本当に熔け落ちて、大きな穴が開き、核燃料の全てが空中や地下へ放出されるからです。クワバラ、クワバラです。

大きな悲劇の中にも幸運があるものです。それに希望を託して、諦めず、一歩一歩と復旧作業を続行すべきです。一縷の希望でも捨てずに、明るい希望へ繋げて行きたいと思います。

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人


今日の散歩・・・都立小山田緑地、今日はその本園を散策です

2011年05月24日 | 日記・エッセイ・コラム

4日前に、一人で行った町田市の都立小山田緑地があまりにも良かったので、今日は、家内を案内して、もう一度行きました。アクセスの方法などは4日前の記事、今日の散歩・・・里山の奥にある小山田緑地 に書いてあります。午後から急に晴天になったので多摩市の尾根道を東西に走る、眺めの良い道のドライブを楽しみながら行ってきました。

前回は梅木窪分園の山に登りましたが今日は本園の雑木林の中を散策してきました。この緑地は広大で、他に大久保分園と山中分園もあります。いろいろな季節に何度か散策に行ってみようと思っています。今日行った本園は遊歩道が整備され、子供の遊び場もあり、池もありで良く整備された公園でした。写真でお楽しみ頂ければ嬉しく思います。

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斑目原子力安全委員長の学者バカを笑う・・・その会話能力の欠如

2011年05月24日 | 日記・エッセイ・コラム

海水を注入すと再臨界の「可能性がゼロではない」と言ったと本人が断言していました。

全ての自然現象は、その起きる可能性はゼロでは無いのです。ですから学者同士が雑談するときにもよく「その可能性はゼロでは無い」という言葉を頻繁に会話の間にはさみます。これは学者村でしか通用しない外国語のようなものです。

それを炉心が爆発するかしないという修羅場に直面している役人や政治家へ言うことは非常識過ぎるのです。可能性がゼロでなければ役人や政治家は海水注水を止めます。それを想像する能力が斑目さんには欠如して居たのです。会話能力が貧弱過ぎたのです。

学者同士の会話はこのように危険な誤解を生じるという典型的な実例です。そんな事も理解していなかった斑目さんは行政へ直接アドバイスする原子力安全委員長を辞職すべきです。

可能性がゼロではない!と叫ぶ代わりに海水をガンガン注入しろ!と叫ぶべきでした。戦争の前線で負ける可能性がゼロでは無いと言う指揮官が居てはいけません。そんな事は誰でも分かっています。それを言明すれば負けると断言したと誤解されます。斑目さんは学者として優秀でしょうが首相へ進言する立場は即刻止めるべきなのです。

前に原子力安全委員長をしていたある学者が中曽根さんを批判していました。中曽根さんが原子力の平和利用を日本へ導入したと言ったと批判して居ました。「我々学者は原子力利用の研究を中曽根さんより早く始めていた」と主張していたのです。

中曽根さんの重要性を完全に無視して、自分達だけが偉いと言わんばかりの発言にこちらまで顔が赤くなりました。

原子力安全委員会は学者バカの集団なのです。これでは役人や政治家に敬遠されても仕方がありません。困ったものですね。個人的な感想を書いて見ました。(終わり)


近藤勇の政治変革への提案と、多摩地方有力者への京都情報の送信

2011年05月24日 | インポート
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新撰組の近藤勇組長を、武士道をつらぬいた男と称賛したり、反対に、無分別な暴れ者と見下げたりする人々がいます。しかしそのどちらも単純すぎる評価であり、近藤勇の実像からは遠く離れた間違った理解です。

だいいち、彼が京都から郷里の有力者17人を送付先として送った数多くの手紙には武士道とか武士という言葉が一回も出て来ません。京都の政治情報が書いてあるだけです。

幕末の京都は将来の日本の政治構造を決める重要な場所だったのです。天皇の意向で日本の将来が変わるからです。尊王攘夷か、開国自由貿易か、公武合体か、欧米流の新政府を作るか、いろいろな考えの志士が集まって闘争を続けて居たのです。薩摩、長州、会津、土佐の志士たちが争っていたのです。日本の将来を決めるのは江戸ではなく京都だったのです。

一方、近藤勇は武士出身ではないが剣術の才能があり、門弟が数百人も多摩地方に居ました。漢学の教養もあり知性も高かったので多摩の名主や豪農や豪商との付き合いも深く、彼等は幕末の政情不安定さを非常に心配していました。政変が起き、自分達の既得権が灰尽する事を恐れていたのです。そんな折に江戸幕府は浪士隊を募集したのです。

近藤勇は京都へ行って、政局の動向を直接見て、多摩地方の有力者へ送ろうと決心したようです。門弟をつれて新撰組として京都へ行ったのです。剣術が出来る集団です。幕府側は敵対する長州側との武力闘争に新撰組を使います。それが蛤御門の変であり池田屋事件です。最終的には鳥羽伏見の戦いで江戸幕府軍として参加し、負けて、幕府軍とともに船で江戸へ帰ってきます。甲府へ出撃しますが、また負けて、流山で捕まり斬首されるのです。

近藤勇の江戸幕府改革構想は彼が書いた建白書にあります。江戸の将軍が京都へ引っ越して、天皇と手を取り合って(公武合体し)、外国を締め出し(攘夷)、海岸の防備を強化し、江戸幕府が中心になって富国強兵に努力すべしというものでした。

残念ながら歴史はそのようにならず、函館で副隊長の土方歳三は戦死し、新撰組は壊滅しました。

近藤勇の人間性は悪ではありません。百姓として生まれ、剣術士の千葉周作に認められその養子になり、江戸と郷里の多摩地方を行ったり来たりしながら数百人の門弟を育て、多摩地方の名主や有力者と親交を深めていたのです。彼は剣術を得意として居ましたが、一方では郷土愛に燃えていた男だったのです。郷土の将来が心配だったのです。だれが彼を見下げたり、軽蔑することが出来るでしょうか?郷土愛と剣術の故に彼は流山の露と消えたのです。悲劇です。人生はそのように危険なものです。

以上に書いた事は全て、下にご紹介する鶴巻孝雄さんの研究論文を私なりに理解した範囲で書いた文章です。鶴巻孝雄さんの研究論文は実に実証的で、論理の構築も緻密です。ああ、本物の学者だ、と感動を覚える論文です。是非、URLをクリックして全文をお読み下さい。この論文の存在と重要性を教えて下さったのは町田市立自由民権資料館の学芸員の杉山 弘 さんです。杉山さんへ感謝の意を表します。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人

参考文献:鶴巻孝雄著、「幕末・新撰組・近藤勇研究」―多摩にもたされた新撰組情報―近藤勇書簡を読むーhttp://www006.upp.so-net.ne.jp/tsuru-hp/bakumatsu/bakumatsu-top.htm 


日本では8910トン(U)の使用済み核燃料を穴に埋めなければいけません

2011年05月23日 | 日記・エッセイ・コラム

日本には現在、8910トン(U換算)の使用済み核燃料が溜まっています。穴を掘って、埋める予定です。90億年の補助金をつけて、その穴を掘る場所を募集したのですが流石に名乗り出る市町村がありません。ですから地下500m以上の深い穴を掘る工事も始まっていません。

使用済み核燃料は毎年、溜まる一方です。福島の原発の大事故で気を取られていますが、実は「穴を掘って、埋める仕事」を一刻も早く始めなければいけません。

使用済み核燃料は各地の電力会社の原発敷地内の貯蔵プールに保管されています。その事情を明快に説明している報告書があります。http://www5a.biglobe.ne.jp/~genkoku/kohza-003.htm です。

こういう状況では、我々はもっと現実的に考える必要があると思います。

そこで、以下にフィンランドの計画を見て、皆で考えて行くのが良いと思います。

尚、日本の穴掘りの責任組織は、「原子力発電環境整備機構」と言い、100%国家予算で推進されている国策組織です。皆さまのご意見やコメントを頂ければ幸いです。

・・ フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物の地層処分計画・・・・・・・

実施主体 ‐Posiva 社(電力会社2 社の共同出資会社)

対象廃棄物 ‐使用済燃料(BWR,旧ソ連製加圧水型原子炉(VVER))
(Vieno and Nordman,1999)

処分量 ‐2,600t(ウラン換算)*
処分場サイト ‐オルキルオト(ユーラヨキ自治体)

処分深度 ‐400m~700m (Posiva,1999)
処分場規模
‐地上施設の面積:約0.15km2
‐地下施設の面積:約0.3km2
‐処分坑道の延長距離:約13km

処分システム
‐使用済燃料,キャニスタ,緩衝材,埋め戻し材及び天然の地層からなる多重
バリアシステム

‐キャニスタ:内側が鋳鉄,外側が銅(厚さ5cm)の二重構造
(期待される物理的閉じ込め期間:少なくとも10 万年)

*既設4 基の原子力発電所を40 年運転すると想定した場合の処分量(Posiva,1999)。2002 年5 月に,オルキルオト原子力発電所への5 基目の建設と,計5 基の60 年運転を想定した発生量6,500t

・・・・・・・・・・・・・以下省略・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・