現在、マスコミやネットの世界では、反原発が優勢です。しかしそれは感情論であります。「反原発!」は軽薄な流行語として世間に流れているようでもあります。
反原発を叫ぶ人へ、「あなたは停電になっても良いのですか?」と聞けば、叫び声が聞こえなくなります。
原発を止めれば日本の工業の国際競争力が小さくなり、あなたの生活が苦しくなります。それでも良いのですか?
こういう理屈で原発反対運動が弱くなります。これが日本の現状です。
しかし、ここで合理的な計算をして、深く研究してみましょう。
停電もなく、生活レベルの低下もなく、原発を止める方法を深く研究するのです。
ドイツは11年かけて原発を止める計画です。スイスは23年かけて止める計画を発表しています。それでは日本は30年かければ原発を止める現実的な実行計画が作れる筈です。
54基ある原発を耐用年限が近づいているものから順次やめて行くのです。
30年かけてゆっくり止めながら、はじめは石炭火力や天然ガス火力へ置き換えて行きます。その30年の後半にはこれらの火力発電を太陽光発電、地熱発電、風力発電へ置き換えて行くのです。
その頃になると技術が進歩して、太陽光発電、地熱発電、風力発電の発電コストが下がって行きます。政府のエネルギー政策が30年後の脱原発を決定すれば、日本の優秀な技術力で必ずやそれを達成出来るのです。
そこで以下では、原発推進論者の反論へ、私の反論を簡略に書きます。
(1)原発の発電コストは一番安い。日本の国際競争力の維持の為には原発を推進しなければ日本は生けて行けない。
ごもっともです。しかし原発の発電コストの従来の計算では使用済み核燃料の再処理コストと埋没坑道の掘削コストや10万年間の地下管理コストが含まれていません。従来の原発の発電コストの計算は合理的な計算ではないのです。もう一度、いろいろな立場の人に原発の発電コストを計算して貰う必要があります。
(2)火力発電の燃料は中近東のイスラム圏から輸入している。燃料の輸入の安全保障の観点からイスラム圏に頼らない原発の比率を上げていることが日本の安全保障の上で絶対に重要です。
一見、ごもっともなご意見です。しかし火力発電の燃料を石油から天然ガスと石炭へ替えて行けば、ロシア、カナダ、アメリカ、南アメリカ、オーストラリアなどから安価に輸入出来るのです。燃料輸入の安全保障を叫ぶ人の視野が狭いのです。
念の為に言えば、原発の核燃料はフランスなどから輸入しているのです。ですからこそ、サルコジ大統領が血相変えて、すぐに日本へ飛んで来たのです。
(3)火力発電は炭酸ガスを多量に発生するので、それが無い原発を増加する事は地球温暖化防止のため不可欠です。
これは私も賛成です。しかし放射能を空中にまき散らしたり、地下深い坑道に、多量の危険極まりない核燃料を埋蔵するよいりは、炭酸ガスの方が無害です。
原発完全廃止までの30年間で、火力発電から出る炭酸ガスの排出量を現在の半分以下にする技術は可能です。上手くすると排気ガスから炭酸ガスを吸収し、浄化する排ガス処理技術が格段に進歩するかも知れません。現在でも火力発電の稼働効率を上げただけで炭酸ガス排出量を大きく減少出来るのです。
をご覧下さい。
さて原発推進論者は他にもいろいろな理由を言います。それに反論しているとこの記事があまりにも長くなるので、今朝はここで一旦止めて、それは続編でする事にいたします。
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人