久々に向島百花園に。よく晴れた土曜日。日なたはぬくぬく、日陰になると、肌寒い。そんな午後。
けっこう人が訪れています。
左:とらのおすずかけ。右:まつむしそう。
・トラノオスズカケ
四国、九州に分布する希少な植物で、現在では絶滅危惧種に指定されています。
自然教育園のスズカケトラノオは平賀源内が江戸時代、松平讃岐守の故郷から持参し移植したと言い伝えられています。
園内では1949年(昭和24年)に絶えたと考えられていましたが、2007年(平成19年)に58年ぶりに再発見されました。「国立科学博物館附属 自然教育園 http://www.ins.kahaku.go.jp/ 」
(この項、「雑学のソムリエ」HPより)
・ソナレマツムシソウ
秋の高原に紫色の花を咲かせ、多くの人に好まれている花にマツムシソウS. japonicaがありますが、開発・乱獲等により激減し、現在では絶滅危惧種に指定されています。
そのマツムシソウの変種にあたるソナレマツムシソウの実生株が 2 年越しで開花しました。
「ソナレ」とは磯馴なれの意味で房総半島・三浦半島・伊豆半島の限定された海岸に生育し、一部愛鷹山などの山地にも見られます。
母種であるマツムシソウは、草丈 1 mほどで開花後枯死する越年草であるのに対し、ソナレマツムシソウの特徴は、小型で土壌条件にもよりますが花が咲いても枯れずに残る多年草であること、花期にも根生葉があり葉が厚く光沢があること、花茎があまり長く伸びず、多数の花茎が見られることなどがあげられます。
本変種も母種と同じく絶滅危惧種に指定され、地元神奈川県などでは保護増殖事業が行われています。現在、手元にある実生株は草丈30cm余りで、咲き終わったものを含め、30本ほどの花茎をあげています。マツムシソウ好きの方には小型の鉢植え山草として、また花壇などの植栽材料としての利用が考えられます。(「東京農大農学部植物園から」HPより)
※「マツムシソウ(松虫草)」の名は、花の終わったあとの坊主頭のような姿が、仏具の「伏鉦」(ふせがね:俗称「松虫鉦」)に似ているところから。松虫の鳴く頃に咲くから、との説もある。(「季節の花300」HPより)
園内には、実がなっている草木も。
ふくろくじゅうり。
ざくろ。
みつばあけび。
果肉はそのままで甘く食べられる。
ねむのき。莢がたくさん。
ねむのきはマメ科の植物。実がなると、納得!
すすき三景。
きつねのまご。
名前の由来はよく分かっていない。花序が花の咲いたあとに伸びるのがキツネの尾のようだとか、花の形がキツネの顔を思わせるからなどの説も見かけるが、根拠に乏しい。(「Wikipedia」より)
ほととぎす。
花の紫色の斑点のようすを鳥のホトトギス(杜鵑)の胸にある斑点に見立てたことによる。
すいふよう。
【スイフヨウとは】
・中国の中部を原産とするフヨウの園芸品種。性質はフヨウと同じだが、時間帯によって花色の変わる様を、酔客の顔色になぞらえてスイフヨウと名付けられた。花を観賞するため、庭園や公園に植栽される。
・花はフヨウと同じ一日花で、午前中は白色だが、日が暮れるに従って赤みを増し、夜には完全な紅色になる。また、夜に赤くなった花は翌朝、元気なく萎んでおり、その様も酔っ払いのそれを彷彿させる。
何事も かかる浮世か 月の雲(七十二峰庵十湖句碑)
もみじは、まだ色づかず。晩秋の百花園でした。
※門の額「花屋敷」太田蜀山人の筆。