久しぶりだね。お元気でしたか?
花粉症も何とかおさまったわよ。昨日まではマスクしてた。
元気なことは何よりさ。さてとこの裏の方にあるはずだが。
それよりもショック受けたわよ。貴方もご存じの彼女がさ、腫瘍が発見されたって。どうも手術も大変なところらしいの。神経に障って痛いらしい。
そう、メールがあったのか。返信するのもどうやって送っていいやら。・・・
人生、いろいろあるわねえ。この年になるとね。
どうする? 映画見る気分じゃないかな。疲れているみたいだし。
いえ、昨日は遅くまでテニスを見てて眠いだけよ。
ここ、ここ。けっこう並んでいるね。女性客が圧倒的だ。レディースデイだからかな。
今日が最終日みたいよ、それもあって混んでいるみたいね。
主演の女性、僕らと同い年くらい。前に「スイミングプール」というのを見たことがあった。存在感のある女優だったよ。
ふ~ん。2人で2200円、あら、2500円出したら、450円のおつり。
銀座4丁目。「山野楽器」の裏手にある映画館。初めて入る映画館「シネスイッチ」で「さざなみ」。満席。
《あらすじ》
老夫婦ジェフ(79歳)とケイト(70歳)。どちらもとっくに勤めを終え、郊外の自然豊かな土地で余生を楽しんでいる。
結婚45周年を祝うパーティを土曜日に控えている。その週の月曜日、ジェフのもとに1通の手紙が届く。それは、1962年(50年前)にスイスの氷河に落ちて行方不明になったジェフの恋人の遺体がそのときのままで発見されたというものだった。
それ以来、やめたはずの煙草を吸い始めたジェフはドイツ語の辞書を引きつつ、手紙を繰りながら、その恋人との山行の記憶を妻に語り始める。
妻のケイトは寝ても覚めても、次第にこの世にすでに存在しない元恋人への嫉妬とともに夫への不信感を募らせていく。
45年間の夫婦生活。が、自分たちには子どもはいないし、二人の思い出の写真もほとんどない。しかし、ジェフは細かな山行の記録、そして恋人が妊娠しているかのようにお腹をさする写真をスライドに残していた。それを目にしたケイト。
土曜日、パーティが開かれる。妻への感謝の言葉を述べるジェフ。ラストで、二人の思い出の曲、プラターズの「煙が目にしみる(Smoke Gets In Your Eyes)」をバックに踊る二人。踊り終わる寸前にとったケイトの行動。・・・
《原題》
45years
《スタッフ》
監督 アンドリュー・ヘイ
原作 デビッド・コンスタンティン
脚本 アンドリュー・ヘイ
撮影 ロル・クローリーマン
《キャスト》
シャーロット・ランプリング=ケイト・マーサー
トム・コートネイ=ジェフ・マーサー
ジェラルディン・ジェームズ=リナ
ドリー・ウェルズ=サリー
・・・
ふー。さて飯でも食うか。
ここにしようよ、中華料理がいいわ。点心が食べたいから。
45年間の夫婦生活って何だったんだろう。ま、単純に「女の嫉妬は、げに恐ろしきかな」、てな感じって言っちゃあ、身も蓋もないけど。
う~ん、何とも言えないけど、一気に見させてくれたわね。
だって、まともに一人で出歩けない老人がスイスになんか行けるはずがないじゃない、それでも旅行会社まで行って確認するし、それは別の人物なのに、夫の行動にますます疑いを持つ。
男の過去への執着ぶりも並大抵ではないわよ。図書館から地球温暖化の本まで借りてきて。発見されたいきさつが知りたかったのね。
映画の原作はそういうことに近い事実をもとにしているらしい。
夫婦がお互いに持っている秘密なんて、最後までしまっておくものよね。
となるはずが、その微妙な心の均衡が意図せずに突き崩されてしまったときに、さてどうなるか、って。
いずれ遺品整理のときにばれるけれど、そのときは死人に口なしでおしまい。でも、ショックはショックだわ。
その手紙が届いて動揺する夫。新婚の頃を懐かしみ、ダンスをしてその勢いでベッドに入るんだけれど、男は役たたずじまい。
そうりゃそうよ、年を考えれば当たり前よ。期待する方が無理よ。
そうじゃなくて、やはり恋人のことが忘れられなくて、それでますます妻は疑心暗鬼になっていく。
そんなの考えすぎ。女はとっくに諦めているわよ。さっぱりしたものよ。
でも、突然、夫が行動的になるのをいぶかしむ妻の表情はすごい迫力だった。
スイス時計の店をのぞいて、一瞬買う気になっても、結局買わなかったわよね。
車のラジオから流れてきた曲を聞いて、すぐにスイッチを切っちゃうし。
ラストはどう考えたらいいのかしらね。
観客の思いに委ねられているのだろうけれど。
結局、二人はそのまま夫婦生活を続けると思うわ。今更って感じがするし。
でも、深いわだかまりは残しつつってことかな。
さざ波が大波になってしまった、取り返しが付かない。
う~ん。さざ波がかき乱されて大波になったけれど、また穏やかな水面に戻っていくんじゃないかな。
でも、邦題の「さざなみ」はみごとよね。「45周年」じゃ面白くないもの。
車の運転が日本と同じで安心して見ていられた。英語もきれいで聞きやすい英語で、何とか・・・。
イギリスの自然っていいわよね、いつも霧がかかっていて、もやっとしている。そんな雰囲気にぴったりの映画だったわ。
運河に舟がさざ波を立てて通り過ぎる、そのあとはまた静かな流れになる。暗示的な手法かな。
ダンスのシーンでも、二人の姿を他のカップルが踊りながら隠すと、その後はケイトの表情や手の位置が微妙に変化している
ラストソングの「煙が目にしみる」は実は失恋の歌なんだ。恋の炎ってわけさ。
煙草の煙が目にしみる、というわけではないのね。
ところで、こっちも期待に応えられるように、せめて腹筋でも鍛えておくかな。
私が上でもいいけれど、腹筋弱いのよね。・・・何、ばかなこと言わせるの。
(画像は、「YouTube」予告編より)
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