痛ましい事件ではありますが

大阪知事、通り魔に「死にたいなら自分で死ね」(読売新聞) - goo ニュース
　以前にも、たくさん人を殺せば死刑になる、と通り魔・大量無差別殺人事件をしでかした男がいました。その時もこのような意見があったように思います。他人を巻き添えにするな！　
ビルの屋上から飛び降り自殺して、歩道にいた他人を巻き添えにした事件。その時にも、自分勝手に一人で死ぬならいいが、他人を巻き込むな！　
　たしかに、いずれも正論。しかし、動機は様々であっても、通り魔事件は後を絶ちません。まさに被害者の無念は、計り知れません。関係者の思いも・・・。
　今回の容疑者、覚醒剤で有罪判決を受けて服役、先月末に出所したばかり。仕事も所持金もなく・・・。出所者の再犯率の高さ、ケアなど多くの課題があります、その中での今回の事件。容疑者の、死にきれなかった、という言動に惑わされてはいけないような気がします。　
　毎年、３万人を超える自殺者がいる日本。特に大震災以降、生活や将来を見失って自殺する中高年も出ている。日本の社会自体の歪みが、如実に自殺者数にも表れているようにも感じます。そうした現実を見つめつつ、何とか少しでも自殺者数を減らす努力を行政も地域も模索しています。
　自己責任、他人に迷惑をかけるな、自分勝手に死ね！　では済まされない問題。自殺者３万人という社会問題を考えると、素朴な市民感情に依拠してのトップの発言としては、いかがなものかと思います。まして、自殺云々ということで事件の本質を見失ってはなりません。