湿地帯から、しだいに入り江(小網代湾)に近づいてきます。
ちょっと濁った水たまり。
正体は地中の鉄分を餌にするバクテリアに由来する鉄分で、いずれも害はありません。油膜のようなものは酸化鉄の薄い膜。油ではありません。小網代は鉄分の豊富な谷、鉄は海の生物たちの多様性をささえる重要な化学物質でもあります。一見、汚れのようにみえる褐色沈殿と油は、小網代を支える仕組みの一部です。(NPO小網代野外活動調整会議)
ハンゲショウの見納め。
開けた所に近づきます。
「えのきテラス」。遠くに家並みが。
トンビでしょうか、3羽、海へ向かって。
これまでの活動などが写真で掲示されています。
パンフレットより。「森と干潟と海がつながっている 小網代の森」。
かつての「三浦半島は今よりも多くの緑や湿地がありましたが、住宅や道路などの開発により失われてきました。小網代の森も昭和45年(1970)に市街化区域になり、ゴルフ場や住宅の開発計画が持ち上がりました。しかし、市民による保全活動や、小網代の森が源流から干潟まで連続して残されている貴重な自然環境であることなどを受け、県は、三浦市や開発を計画した京浜急行電鉄株式会社と、小網代の森の保全を含めた土地利用について調整を進めてきました。平成7年(1995)に農地造成や宅地開発及び緑地保全などを含めた三戸・小網代地区の土地利用方針を関係者に提示し、理解と協力を得ながら、「かながわトラストみどり基金」により緑地の買い入れを進めました。平成17年(2005)には無秩序な市街化から守るよう近郊緑地保全区域にして去れ、その後、用地の買収と園路等の整備が完了したことから、広く環境学習の場として活用されることになりました。
この森は、関東、東海地方で唯一、集水域の森林、河川、干潟が開発されずに連続して残されている自然環境と言われています。森、川、海のつながりが必要なアカテガニをはじめとして2千種と言われる多くの生きものが棲んでいます。かつては薪炭として利用されていたことから、コナラなどの落葉広葉樹林が多いものの、常緑樹が混じるようになり、流路の固定化など低地の乾燥や外来種の侵入も進んでいます。流域全体の生態系を保全する視点に立って、湿地の再生や外来種除去など、生物多様性の保全・回復に向けた取り組みに尽力してきたNPOをはじめ、地域住民や多くの企業などと手を携えながら地域の宝として小網代の森を次の世代へ引き継いでいく必要があります。
ハマカンゾウの保護育成地。
ハマカンゾウは関東地方以西の本州・四国・九州に分布する常緑性の多年草。海岸の崖地・急傾斜地などに生育する。葉が厚くて光沢があり、常緑。花は7月頃から咲き始め、早朝に開く1日花。花の色は橙色のものが多い。
(「素人植物図鑑」HPより)
干潟の方に向かいます。
カニダンス解説板。
夏の干潟の主役は、カニダンスです。海の潮が引いて目の前の湾が干潟になっているときに見られます。ダンスの踊り手はオスだけです。求愛や縄張り活動の意味があると言われますが、解明されていない動きもまだまだあります。干潟のカニは、カニをえさにする鳥が見ると砂色、泥色で目立ちませんが、カニの目線で見ると、色鮮やかな宝石のような色をしています。
※「チコガニ」・「コメツキガニ」・「ヤマトオサガニ」のダンスのようすが、イラストで。
1匹、さっと姿を見せましたが、すぐ見失い、残念ながらじっくり見ることが出来ませんでした。
「えのきテラス」に戻り、森の出口にむかいます。
テラスを振り返る。
川の流れ。
眺望テラスより、小網代湾を望む。
眺望テラス解説板。
ここまでが小網代の森。
アシ原のカニ。
~小網代の森のアシ原には、たくさんのカニが隠れています~
「ベンケイガニ」・「クロベンケイガニ」・「アシハラガニ」・「モクズガニ」。
小網代湾を望む。
ここから坂道を歩き、小網代湾方向へ。
「小網代の森」は、四季を通じて散策できるすばらしいところです。環境保全につとめる地元など多くの方の献身的な努力に感謝をしつつ。
※「父の日」に遅ればせながら、と。各地の純米酒。さっそく。
ご当地・地酒あれこれ。
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