東急ホテルズのPR誌「OFF TIME, ON TIME」の2018年10・11月号は大阪の街を特集していました。ページをめくると、道頓堀の景色やお好み焼、串カツなどが出てきますが、とりわけ通天閣とその界隈を写した写真が素晴らしく、底抜けの明るさ、陽気さが感じられます。久しぶりに関西へ行きたくなりました。通天閣(英語で「tsutenkaku」)から連想で「Take Ten」を。
PAUL DESMOND (ポール・デスモンド)
TAKE TEN (RCA 1963年録音)
ポール・デスモンド(as,1924~77年)は、デイブ・ブルーベック・カルテットで活躍していましたが、ジョージ・アヴァギャンのプロデュースにより、ワーナーやRCAでリーダー作を録音しています。どの作品でも、デスモンドは詩的でビューティフルな演奏を行っていて、最近、それらを聴く機会を増やしていますが、このアルバムも傑作として忘れられません。
メンバーは、ポール・デスモンド(as)、ジム・ホール(g)、ジーン・チェリコ(b)、ジーン・ライト(b)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b)、コニー・ケイ(ds)。ジーン・ライト(b)は、ブルーベックカルテットのメンバーですが、「Take Five」の続編ともいうべき「Take Ten」一曲への起用で、ブルーベック路線をアピールしたかったのかもしれません。デュヴィヴィエ(b)も、CD追加の「Out of Nowhere」だけに参加しています。
曲目は、ポール・デスモンドの自作が、「Take Ten」、「El Prince」、「Embarcadero」(埠頭)、スタンダードが「Alone Together」、「Theme from Black Orpheus」(黒いオルフェ)、「Nancy」、「Samba De Orpheu」(オルフェのサンバ)、「The One I Love」の8曲。CDには「Out of Nowhere」、それに「Embarcadero」と「El Prince」の別テイクが追加収録されています。
ポール・デスモンド(as)とジム・ホール(g)のサウンドやフレーズは、室内楽的でもあり、喫茶店のBGMとしても使えそうなアルバムです。標題曲の「Take Ten」は、8分の10拍子で、ちょっと東洋的な響きも感じさせる面白い曲です。サンバ、ボサノヴァ系統の「El Prince」、「黒いオルフェ」、「オルフェのサンバ」など、テーマを軽々と吹き、メロディアスなアドリブを次々と繰り広げるデスモンドのプレイには、改めて惚れ惚れしました。
ジム・ホールとポール・デズモンド (ライナー・ノートにある写真)
【東急ホテルズのPR誌 Conforts OFF TIME, ON TIME 2018年10・11月号】
表紙
ネオンサインが輝く夜の道頓堀
道頓堀の続き。是非ゆっくりとこの界隈を歩いてみたい。
文楽やお好み焼きの紹介
法善寺横丁
通天閣界隈、串かつの「だるま」。両方とも入ったことがありますが、どちらも「大阪に来た」という気持ちにさせてくれました。