加入しているズートシムズファンクラブの活動として会員限定のEPレコード「ZOOT SIMS IN HOLLAND 1974」が制作されて、先ごろ頒布されました。彼としては珍しい曲目の「イパネマの娘」が収録され、演奏も見事なもので、関係者に感謝しながら聴きました。続いて、ズート・シムズの英国におけるライブ録音を聴きました。
ZOOT SIMS (ズート・シムズ)
COOKIN' (Fontana 1961年録音)
英国では米国のジャズ・ミュージシャンの英国内での公演を規制していましたが、1961年に英国のミュージシャンの米国公演と引き換えに同数の米国ミュージシャンが英国内で公演することを許可するようになりました。その最初がズート・シムズ(ts)の「ロニー・スコット・クラブ」への2週間にわたる出演でしたが、この出来事からも、ズートが英国で人気が高かったことが推測されます。
メンバーは、ズート・シムズ(ts)、スタン・トレイシー(p)、ケニー・ナッパー(b)、ジャッキー・ドゥーガン(ds)、ジミー・デューカー(tp)、ロニー・スコット(ts)。デューカーとスコットは、「Desperation」の1曲だけに参加していて、あとの5曲はズート・シムズとリズムセクションの演奏です。ロンドンのロニー・スコットクラブでライブ録音されたものです。
曲目は、スタンダードの「Stompin' at The Savoy」(サヴォイでストンプ)、「Love for Sale」、「Somebody Loves Me」、「Gone With The Wind」(風と共に去りぬ)、「Autumn Leaves」(枯葉)に、ジミー・デューカー作曲の「Desperation」で全6曲。「Desperation」は、バップ色が濃いものです。
リズムセクションは、当時のロニー・スコット・クラブに出演していたメンバーです。ピアノのスタン・トレイシーのスタイルはズート・シムズに必ずしもマッチしたものではないのですが、そんなことを吹き飛ばすようなズートのリラクゼーションに溢れ、しかも小気味よくスイングする快演が聴けます。カルテットで演奏したスタンダード5曲も勿論よいのですが、デューカー(tp)とスコット(ts)が参加した「Desperation」が、短いながらスピード感に満ちた力の籠った演奏で面白い。
【ズートシムズファンクラブ 会員限定EPレコード】
【ズートファンクラブ ホームページ】
上記のEPレコードについても詳しく掲載されています。