秋山和慶指揮群馬交響楽団の演奏会が上田市サントミューゼであったので聴きにいってきました。同じプログラムが群響定期公演として、前日(土)高崎で演奏されているので、実質的には定期公演の2回目です。ピアノの独奏は、ショパンコンクールとチャイコフスキーコンクールで、それぞれ2位になったルーカス・ゲニューシャスで、その演奏も楽しみです。
(出 演)
指揮:秋山和慶
ピアノ:ルーカス・ゲニューシャス
管弦楽:群馬交響楽団
(曲 目)
ラフマニノフ / ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
レオニード・デシャトニコフ / 「劇場からのことだま」からの第5番 「狩りのロンド」 (ゲニューシャスのアンコール曲)
<休憩>
ラフマニノフ / 交響曲第3番 イ短調 作品44
(感 想)
ゲニューシャスの演奏したアンコール曲には、衝撃を受けました。「ピアノ協奏曲第2番」では弱音の美しさが光り、しなやかな抒情が感じられましたが、現代ロシアの作曲家デシャトニコフの曲はジャズのようでもあり面白く、それを鋭いリズムで綴っていくゲニューシャスには驚かされました。
デシャトニコフの曲は初めて聴きましたが、現代音楽のピアノ曲にも面白いものがあるものだと、視野が広くなった気がしました。ロシア出身のゲニューシャスは、自国の現代曲をはじめレパートリーも広そうで、今後ますます活躍するのではないかと思われました。
「交響曲第3番」は、ロシアの抒情、郷愁があふれ出ていて素晴らしく、改めて名曲だと思わせてくれました。メロディや弦の音たっぷりの和音に浸っていましたが、第1楽章の後半など、木琴など打楽器の使用や、ヴァイオリンのフラジオレットが聴かれ、新鮮味もある曲で、そのあたりの演奏も揃っていてよかった。
秋山和慶さんの指揮は、各楽器間のバランスが整い、テンポもよく歌わせるもので、ラフマニノフの世界に没頭させてくれ感激しました。コンサートマスターは、伊藤文乃さんで、独奏部分は艶やかな音で見事でした。席の位置がよいためか、ハープや木管楽器をはじめ各楽器の音も分離してきれいに聴こえ、音響的にも満足できるものでした。
【交響曲第3番について、あらかじめ聴いていったCD】
ラフマニノフの2番も有名ですが、3番も捨てがたく、どちらも好きな曲です。演奏される頻度は、2番が圧倒的に多いようです。今回の演奏会では、3番が聴けてありがたかった。
ラフマニノフ「交響曲全集」。ウラディミール・アシュケナージ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。