長野県上田市のサントミューゼで、新倉瞳(チェロ)と佐藤卓史(ピアノ)のデュオ・リサイタルが行われたので聴いてきました。
(出 演)
チェロ:新倉 瞳
ピアノ:佐藤卓史
新倉瞳さんは、現在カメラータ・チューリッヒのソロ首席チェリストとしてスイスを拠点に活躍するほか、全国各地でリサイタル、オーケストラとの共演を重ねています。佐藤卓史さんは、2014年より「シューベルトツィクルス」を展開し、シューベルトのピアノ曲全曲演奏に取り組んでいるほか、室内楽、作編曲、放送出演など幅広く活躍中。二人の詳しいプロフィールは次のとおり。
(曲 目)
サン=サーンス / 「動物の謝肉祭」より 白鳥
フォーレ / シシリエンヌ
シャミナード / 森の精 Op.60 (ピアノ・ソロ)
シャミナード / 昔 Op.87-4 (ピアノ・ソロ)
佐藤卓史 / 夜想
ドビュッシー / チェロ・ソナタ ニ短調
〈休 憩〉
ウェーベルン / 3つの小品 Op.11
ベートーヴェン / チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.5-2
(アンコール曲)
ピアソラ / タンティ・アンニ・プリマ (アヴェ・マリア)
(感 想)
出演者二人のトークを交え、和やかな雰囲気で行われたデュオ・リサイタルでした。普段聴く機会のない、シャミナードやウェーベルンの作品が演奏されるなど選曲が凝っていました。
新倉さんのチェロ、佐藤さんのピアノともに音色が非常によく、明るくくっきりとした印象を受けました。最も気に入ったのは、フォーレの「シシリエンヌ」で、息の長いチェロの独奏が素晴らしく、元々好きな曲ですが、際立って聴こえました。
佐藤さんの新曲「夜想」は、優しさと情熱的なところがあり、こういう現代曲なら歓迎です。ウェーベルンの十二音技法による3つの小品は、スパイス的に面白く、ベートーヴェンのソナタは熱演、アンコールのピアソラの曲は豊かな情感を湛え、最後まで充実していました。