安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

札幌の新聞社が舞台の増田俊也著「北海タイムス物語」(新潮文庫)を読みました。

2022-02-04 19:30:00 | 読書

新型コロナ蔓延により旅行は控えていて、3月に札幌へ行く予定もキャンセルするつもりです。その代わりという意味も込めて、札幌の新聞社が舞台の増田俊也著「北海タイムス物語」を読みました。

   

表紙

(著者略歴)

   

(帯裏面にあるあらすじ)

   

(感 想)

クライマックスに向かって疾走していく映画的な小説です。増田俊也(ますだとしなり)さんの小説は初めて読みましたが、登場する人物のキャラクターが明確で、ストーリーもわかりやすく、エンタテイメント性豊かで面白い物語です。

舞台は、1998年9月に倒産し休刊した北海タイムス社で、著者が倒産数年前に入社し実際に働いていた会社です。新聞社の様子、特に編集のことが、詳しく描かれていて、目を見張りました。結果的に倒産寸前であった過酷な労働環境も描かれています。

新入社員「野々村巡洋」の成長ぶりに加え、先輩や同期との軋轢や恋が絡み、ハラハラドキドキした展開が続きます。新聞人としての誇りや同社を愛する社員の気持ちにも打たれます。「円山公園」といった地名も登場し、ちょっぴり札幌へ行った気分も味わいました。