安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

篠崎史紀著「MAROの"偏愛"名曲案内 フォースと共に」(音楽の友社)を読みました。

2022-02-18 19:30:00 | 読書

NHK交響楽団コンサートマスターである篠崎史紀著「MAROの"偏愛"名曲案内 フォースと共に」(音楽の友社)が発行されたので、購入しました。雑誌「音楽の友」に4年間連載された記事が元になっています。

   

表紙

帯に本文から印象的な部分が抜き書きされていました。『フェルマータは「停留所」』と書いてありましたが、うまく表現するものです。

(著者のプロフィール)

(目 次)

目次ですが、取り上げられている曲目が並んでいます。

   

   

  

(感 想)

コンサートマスターならではのシャルル・デュトワやウォルフガング・サヴァリッシュら指揮者とのやりとりや、ウィーン留学時代に学んだことなどを含め、その曲にまつわるエピソードが披露されていて、楽しめました。

また、「東京ジュニアオーケストラの主宰」、室内楽演奏会「MAROワールド」、「北九州国際音楽祭」の開催にも触れていて、子供や後進の音楽教育に力を入れている様子も描かれています。エネルギッシュな活動ぶりに感嘆しました。

室内楽曲の名曲案内は、とりわけ興味を惹きました。アレンスキーやドホナーニの知られざる名曲の紹介や、モーツァルト「クラリネット五重奏曲」における『ウィーン方言』の部分の解説が面白かった。

上記譜面の四角で囲った部分ですが、このターンの部分を「レ(D)♯」と、ウィーンでは弾くそうです。楽譜に♯の記載はありません。

(聴いてみたCD)

     

モーツァルト「クラリネット五重奏曲」。レオポルド・ウラッハ(cl)、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団。

   

アレンスキー「ピアノ三重奏曲第1番、第2番」。ボザール・トリオによる演奏。本書では第1番が取り上げられています。全体に叙情が溢れていますが、第3楽章がとりわけ美しい。今回、新たに購入したCDです。

   

ドホナーニ「ピアノ五重奏曲第1番、第2番」、「弦楽四重奏曲第2番」。マルク=アンドレ・アムラン(p)、タカーチ弦楽四重奏団。ピアノ五重奏曲第1番が、本書で取り上げられています。白眉は第3楽章ですが、第2楽章も躍動的で良かった。今回、新たに購入したCDです。

(コラムから)

篠崎さんは、SPレコードのコレクターでもあります。