安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

高関健指揮 群馬交響楽団第548回定期演奏会 (5月25日 高崎市群馬音楽センター)

2019-05-26 20:10:11 | 演奏会・ライブ

群響名誉指揮者の高関健さんが指揮をするマーラーの交響曲第7番は、是非とも聴きたかったものなので、日程をやりくりして高崎に行ってきました。 

   

(出 演)

指揮:高関 健
管弦楽:群馬交響楽団

(曲 目)

J.S. バッハ(マーラー編曲) / J.S. バッハの管弦楽作品による組曲

〈休憩〉

マーラー / 交響曲第7番

(感 想)

高関健さんの人気は高いようで、会場は満席でした。プレトークにも高関さんが出てきて、マーラーの交響曲第7番について、作曲家自身の変更や、改訂の過程、演奏経験をもとに、新全集版に必要最小限の変更を補った楽譜を作り、それによる演奏を行う旨の説明がありました。

マーラー編曲の「J.S. バッハの管弦楽作品による組曲」(通称「バッハ組曲」)は、バッハの管弦楽組曲第2番と第3番から数曲を取り出して4楽章からなる曲として構成したものだそうですが、知っているメロディの連続で頗る楽しい曲でした。通奏低音にピアノやオルガンが入るリズムの動きも印象的でした。

交響曲第7番については、高関さんは『第5楽章は演奏が難しくて、どこを振っているのかわからなくなることがある。無事最後まで行き着ければよいのですが』と、プレトークで話していました。謙遜しての話だと思いますが、複雑な音の重なりあいが連続する、たいへんな章です。

第1楽章から第4楽章は、管楽器と抒情の感じられる弦楽合奏が相まって、好きな章です。高関さんの指揮は、ホルンやトロンボーンなどの木金管と、ティンパニなどリズム楽器を強調している感じがし、迫力十分でした。CDでしか聴いたことがなかったので、マーラーの7番を実演で聴けてたいへん満足して、長野へ戻りました。

【あらかじめ聴いていったCD】

   

ガリー・ベルティーニ指揮ケルン放送交響楽団。

   

レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団。


ダスコ・ゴイコヴィッチ SWINGING MACEDONIA

2019-05-25 19:25:02 | トランペット・トロンボーン

長野駅の駅ビルMIDORIに「軽井沢 maple stock」というお店が4月にオープンしましたが、焼きたてのワッフルが美味しそうだったので、初めて買ってみました。シロップも付けてもらい、ワッフルにかけて食べましたが、甘さ控えめで想像よりもよほどサラッとしていて、後味の爽やかなシロップでした。後味爽快なアルバムを。

DUSKO GOYKOVICH (ダスコ・ゴイコヴィッチ)
SWINGING MACEDONIA (enja 1966年録音)

   

ダスコ・ゴイコヴィッチ(tp、1931年~)は、近年も快作を残していますが、ユーゴスラヴィア出身のダスコらしい哀愁メロディの自作曲が入った初期のアルバムを僕は特に気に入っています。ドイツ・フィリップス盤のレコードがオリジナルですが、現在はenjaレーベルのCDが入手できます。日本盤のレコードで聴いていましたがCDも購入しました。

メンバーは、ダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)、ネイサン・デイヴィス(fl,ss,ts)、エディ・バスネロ(as)、マル・ウォルドロン(p)、ピーター・トランク(b)、シーズ・スー(ds)。マル・ウォルドロンとネイサン・デイヴィスは、ヨーロッパへ移住している時の録音です。三管編成により、カラフルでエキゾチックなアンサンブルも聴くことができます。

曲は、ダスコ・ゴイコヴィッチのオリジナルが「Macedonia」、「Old Fisherman's Daughter」、「Junbo Uganda」、「Bem-Basha」、「Saga Se Karame」、「Wedding March of Alexander The Macedonian」、「The Nights of Skopje」、「Balcan Blue」の8曲、マル・ウォルドロン作が「The Gypsy」と「Macedonian Fertility Dance」の2曲で全10曲。「Macedonia」や「Old Fisherman's Daughter」は、一度聴いたら忘れられないメロディです。

ダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)が、作編曲や演奏にもてる才能・実力をフルに発揮したアルバム。哀感と異国情緒が感じられるダスコのオリジナル曲が素晴らしく、「Macedonia」や「The Nights Of Skopje」は厚いハーモニーも印象的で、ネイサン・デイヴィス(fl)のソロも入ります。「Old Fisherman's Daughter」では、印象的なメロディをゴイコヴィッチがミュートで絶妙にプレイし、この曲は大好きなものになりました。温かい音色でダスコが吹き、デイヴィスの熱いテナーソロが入る「Bem-Basha」も素晴らしい。

【軽井沢 maple stock(軽井沢メープル・ストック)】 

MIDORI入口

意外に広い面積を占めている店舗です。

スイーツといっていいかと思いますが、いろいろな商品が置いてありました。

焼きたてのワッフル。プレーンの他、りんご味なども。

左上に置いてあるのが、メープルシロップです。メープルシロップは、カエデ科の樹木の樹液だけを原料として作られますが、軽井沢産は生産量が少ないので、貴重だそうです。ワッフルとシロップの組み合わせもよく、珈琲にあいました。

【軽井沢maple stock】

住所:長野県長野市南千歳1-22-6 (長野駅ビル「MIDORI」2階)
ホームページ:軽井沢 maple Stock (facebookです。)


Rosso Bianco(ロッソビアンコ)(イタリアン 安曇野市穂高有明)

2019-05-24 20:12:17 | グルメ

安曇野市有明の農道沿いに、「Rosso Bianco」というレストランがあり、気になっていたのですが、先日、夕食に寄ることができました。2016年12月のオープンだそうですが、以前もここはイタリアンのお店だったので、多分、経営者が変わったのだろうと思います。

ディナータイムが始まったばかりだったのですが、既に家族連れが一組入っていました。コースを注文しましたが、パスタにモチモチ感があって、ちょうどアルデンテで、美味しくいただきました。リーズナブルでもあり、ランチにも良さそうです。 

この看板は目立ちます。

大きな一軒家です。イタリア国旗が目印。

店内。天井が高く開放感があります。

壁には絵もかかっています。ゴッホの「夜のカフェテラス」の複製画がありました。

ノンアルコールビール。

サラダ。野菜が新鮮です。

前菜の盛り合わせ。生ハムやチーズがいけました。

パスタのシチリアーナです。期待せずに食べ出したのですが、麺が美味しくて、なかなかよいです。

珈琲。苦みもあって、食事のあとにちょうどよい味でした。

デザート。肌理の細かなクリームでした。

駐車場が広くて、車を停めるのが楽です。

【Rosso Bianco (ロッソビアンコ)】

住所:長野県安曇野市穂高有明2767−3
電話: 0263-31-5298
ホームページ:rossobianco-azumino.com


ビル・エヴァンス タイム・リメンバード (5月21日 アイシティ・シネマ)

2019-05-23 20:02:35 | 映画・DVD・テレビ

ピアニストのビル・エヴァンスの生涯と音楽を関係者の証言と演奏などで綴ったドキュメンタリー映画「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」が公開されたので見てきました。既にDVDが出ていて、持っている(感想を記した拙ブログのページ)のですが、映画館の大画面で観たくて出かけました。

   

ビル・エヴァンスの人生と音楽を追った素晴らしいドキュメンタリーです。最初から最後までテンポがよく、ドラマチックな場面が続き、画面に惹きつけられっぱなしでした。見ている間中、ビル・エヴァンスの美しく独創的な音楽が、彼の麻薬にとりつかれた人生を哀しく彩っているような気がして仕方ありませんでした。

エヴァンスとの出会いやヴィレッジヴァンガードにおけるセッションのことを克明に語ってくれたポール・モチアン(ds)に対するインタビューが、この映画の核です。スコット・ラファロ(b)、ビル・エヴァンス(p)が亡くなり、モチアンも2011年に亡くなったので、ギリギリのタイミングで製作してくれたブルース・スピーゲル監督に感謝。

松本市に隣接した山形村の「アイシティ・シネマ」で平日の午後7時30分からの上映に行ったのですが、20人近く観客が入っていて、数人いればいいと思っていたので、驚くとともに嬉しくなりました。松本市周辺には、ビル・エヴァンスやジャズのファンが多いのかもしれません。

   

【ビル・エヴァンス タイム・リメンバード公式サイト】

evans.movie.onlyhearts.co.jp   

【アイシティ・シネマ】

住所:長野県東筑摩郡山形村7977  アイシティ2F
ホームページ:icitycinema


ロバータ・ガンバリーニ DEDICATIONS

2019-05-22 20:05:40 | ヴォーカル(L~R)

本棚の整理を始めたら、いつ買ったのか忘れていた『音の書斎 あなたのレコード棚見せてください』(ONTOMO MOOK)という1996年発行の本が出てきて、つい読んでしまいました。レコードやCDの物量との格闘が行われていて面白いのですが、アンドレ・プレヴィンやフランク・シナトラのものをくまなく集めている方のページは、コレクターの理想の姿だと思わせるものです。今夜はスタンダードを理想的な歌で。

ROBERTA GAMBARINI (ロバータ・ガンバリーニ)
DEDICATIONS (55 RECORDS 2019年録音)

   

ロバータ・ガンバリーニ(vo)が、日本の「55 RECORDS」から3年半ぶりの新作を出したので購入しました。先日、このCD発売ツァーのライブを甲府市のコットンクラブで聴きましたが、その出来が素晴らしかったので、会場でCDを買い求め、ガンバリーニとジェブ・パットン(p)のサインをいただきました。今回の収録曲はスタンダードばかりで、そういう点では馴染やすいものです。

副題は、「エラ、サラ、カーメンに捧ぐ」とあって、3人のヴォーカリストが歌った曲をジェブ・パットン(p)の伴奏だけでガンバリーニが歌ったものです。企画は、オール・アート・プロモーションの石塚孝夫さんによるもので、選曲も2曲を除き石塚さんが行ったようです。

曲は、上記の3人が歌ったスタンダードです。「Lady Be Good~How high the moon」、「As Time Goes By」、「Willow Weep For Me」、「Blame It On My Youth」、「Two For The Road」(いつも二人で)、「Lullaby Of Birdland」、「It Don't Mean A Thing」(スイングしなけりゃ意味がない)、「Misty」、「I Can't Give You Anything But Love」(捧ぐるは愛のみ)の9トラック10曲。

ガンバリーニ(vo)の声の質は、カーメン・マクレ―に近い気がしますが、フレージングや乗りはサラ・ヴォーンに似ているところがあるなと、楽しい連想をして聴きました。力強く、スキャットを多用するところは、ガンバリーニの個性ですし、ヴァースから丁寧に歌っている曲もあり、思いが籠もった歌ばかりで、優れていると同時に親しみやすいアルバムです。特に印象に残った曲は、「Two For The Road」、「Lullaby Of Birdland」、「Misty」といったところで、アップテンポの「It Don't Mean A Thing」もよかった。

【このCDジャケットの中開きにガンバリーニとジェブ・パットンのサインをもらいました】

【音の書斎 あなたのレコード棚見せてください(音楽の友社 ONTOMO MOOK)】

   

表紙

   

作曲家、指揮者、ジャズピアニストでもあったアンドレ・プレヴィンのコレクターの木下浩二さんの書斎。

   

正規版はもちろん海賊版も収集しています。アンドレ・プレヴィン本人から電話もかかってきていたようです。

   

フランク・シナトラ・コレクターの三具保夫さんの書斎。

   

徹底ぶりはすごいです。三具さんは、ジャズやヴォーカルのCDの製作や販売を手掛けていらっしゃいます。

   

ジョン・コルトレーンの研究家として世界的に名高い藤岡靖洋さんの書斎。音楽専用の別宅を建てていて、その部屋の様子です。

   

JBLのパラゴンが余裕で設置されています。