「(前半は省略)
・モーツァルト ピアノのためのソナタハ長調 K.545
・モーツァルト ロンドイ短調 K.511
・モーツァルト 幻想曲ニ短調 K.397
「モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503
(2曲目は割愛)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595」
こうして並べてみたのは、何となく、どちらも本来使うべき楽器が違っているのではないかということを指摘するためである。
モーツァルトは、どれも”フォルテピアノ”で弾くことを想定して作曲したと思われるのである。
「実は、モーツァルトのピアノ・コンチェルトは、初期の物はチェンバロで弾かれた、チェンバロ・コンチェルトであり、10番代の曲はシュタイン・ピアノのような、比較的音量の弱い楽器で弾かれたものと思われます。演奏の場所も、普通、個人の邸宅など、小さなスペースのことが多く、オーケストラの編成も小さく、管楽器は省略可能と指示された物もいくつかあります。
それが、いよいよウィーン時代となると、さらに要求が高まってきます。大きな会場、大オーケストラを背景に演奏されるコンチェルトに、モーツァルトはチャレンジします。そのためには、さらに音量があって、重量感と鋭いアクセントが出せて、強弱の幅も広いピアノが必要でした。
それが、アントン・ヴァルターの楽器でした 。」
それが、いよいよウィーン時代となると、さらに要求が高まってきます。大きな会場、大オーケストラを背景に演奏されるコンチェルトに、モーツァルトはチャレンジします。そのためには、さらに音量があって、重量感と鋭いアクセントが出せて、強弱の幅も広いピアノが必要でした。
それが、アントン・ヴァルターの楽器でした 。」
「ワルターピアノは、典型的な跳ね返り式のウィーン・アクションを持ち、ハンマーには洋ナシの木でてきた芯に鹿革が2あるいは3枚重ねて貼ってあります。指で鍵盤を押すと、アクションの機構によって、指の速さの4倍ほどの速さでハンマーが弦に向かって飛び上がります。このアクションは、指の力を弦に伝えるという点で極めて優れており、かなりの大音量から際弱音までを自在に弾き分けることができます。また、タッチは驚くほど軽快で、急速なパッセージでも楽に軽やかにひけるのです。」
チェンバロだと響きが典雅過ぎる。
かといって、スタインウェイをペダルを踏まずに(内田さんは全くペダルを使わなかった)弾くと、音が内にこもるような感じになる(ピアノがデカいからか?)。
やはり、出来れば「ワルターピアノ」、あるいはその他のフォルテピアノで、比較的小さめのコンサートホールで演奏するのが向いている曲だと思う。