Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

カタリーナ、スケープゴート、フィロクテーテース(4)

2023年11月24日 06時30分00秒 | Weblog
 「一時的な死」には、一般社会からの「分離」という社会学的な意味だけでなく、生理学的な意味もある。
 古代スパルタにおける麻薬の使用がそのことを示している。

 「ドイツ、ハイデルベルク大学医学部の研究チームによる最新の研究によると、遊びとして走った後のマウスでは、エンドルフィンと内因性カンナビノイドの両方の濃度が高まっているという。さらに、走った後は痛みを感じにくくなり、不安感が和らぎ、気分が落ち着くという(これらは、マウスがケージ内の暗い片隅ではなく明るい場所で時間を過ごすことからわかるのだという)。

 「●小鹿コンサルタント:「体というより頭の問題ですね。きつい仕事に集中していると、脳内にエンドルフィンという鎮痛作用のある神経伝達物質が分泌します。これで少々の苦痛にも耐えられるようになります。ただし麻薬と一緒ですから、年がら年中ワーカーズハイの状態だとさすがにおかしくなります」 

 「元厚生労働省近畿厚生局麻薬取締部捜査第一課長の高濱良次氏は「大麻はリラックスや多幸感を得られる効能があるが、身体に悪影響を及ぼす。一般に上下関係や規律が厳しい体育会で、ストレスがたまったり、先輩に誘われて断りづらいなどの環境も影響しているとみられる。

 軍事化のための加入礼の際に麻薬が用いられたのは、もちろん、自我を融解させて集団と一体化させるという狙いもあるが、最も重要なのは、「痛み」と(その予兆としての)「恐れ」を感じなくさせる点にあると思われる。
 これは当然のことで、「痛み」と「恐れ」に敏感な人間が戦闘を行えるわけがないからである。
(もしかすると、激しい集団的戦闘型スポーツ(アメフト、ラグビーなど)の選手が麻薬を必要とする理由も、これと同じなのかもしれない。)
 古代スパルタで用いられた麻薬の成分は不明だが、ある種の麻薬は、脳内で生成することも可能である(但し、最近話題の「大麻グミ」は別だろう)。
 よく知られているように、「一時的な死」は、「脳内麻薬」(ナルコオピオイド)の分泌を促す。
 すなわち、出産、怪我の急性期(リストカットを含む)、ランニングや登山などの高強度の有酸素運動などにおいて、脳内ではエンドルフィンやカンナビノイドが分泌される。
 これによって、「痛み」や「恐怖」を感じなくなる/感じにくくなるのである。
 だが、最も手っ取り早いのは「眠らさない」という方法であり、これが「ワーカーズハイ」と呼ばれる現象を引き起こすのである。

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