最近、仕事中にこんな「怒り」の発現形態を見聞した。
<ケース1> お気に入りの座席を奪われた少女の怒り
依頼者宅に向かう路面電車内の出来事。
始発駅で乗り込むと満席で座れない状況。
すると、私の前に並んでいた3、4歳くらいの少女が激しく泣き出した。
お気に入りの座席に、先に乗り込んだ老人が座ってしまい、「席を奪われた」と思ったらしいのである。
一緒にいたお父さんが懸命になだめるものの、その少女は、私も滅多に見ることがないほどの激しい怒りを、4、5駅の間=10分以上(!)も声と全身で表現し続けた。
<ケース2> 見えない敵に「やめなさい!」と大声で叫び続ける老人の怒り
一人暮らしの老人。
長らく統合失調症を病んでおり、最近、幻覚などの症状が悪化してきた。
幻覚の内容は、見えない敵がさまざまな形で依頼者の脳や骨を攻撃してくるというもの。
攻撃に耐えられなくなったこの老人は、ベランダに出て大声で「やめなさい!」などと長時間に亘って叫び続けた。
ケース1もケース2も、「怒り」の発現形態ではあるが、原因とメカニズムはかなり違っている。
さて、これをどう説明すべきだろうか?