Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

初心者の感想(6)

2021年02月08日 06時35分01秒 | Weblog
 ここまで観てきて、今回の「3週連続エヴァンゲリオン」は、「初心者」向けではなく、従来からのコアなファン向けのものではないかという疑いが芽生えた。
 というのも、伏線が沢山張られるわりには回収されずに放置されるものが多いからである。
 つまり、内容が自己完結的ではなく、余りにも多くの「外部参照」を要求しているように思えるのである。
 さて、「初心者」の感想は、以下のようなもの。

・「精神と身体 animus - corpus の相克」が大きなテーマであることは動かないと思われる。
・これに加え、シンジは今後ゲンドウと対立することが示唆されているので、「父と子の相克」もテーマであるようだ。
・ゼーレは何やらラスボス的な雰囲気をたたえているが、これが Seele (ドイツ語で精神、魂)のもじりだとすれば、「精神 animus」の側に立つキャラクターと思われる。
・ゲンドウは、ゼーレとは提携関係にあったようだが、現在の立ち位置は不明である。NERV(神経)を、「精神 animus」と「身体 corpus」のいずれに属する・近いと見るかによって違ってくるのだろう。
・「死を背負った群れの進化を進めるためにあなた方は我々に文明を与えてくれた。人類を代表し感謝します。死をもって あなた方の魂をあるべきところへ還しましょう。宿願たる人類補完計画と諦観された神殺しは私が行います。ご安心を」というゲンドウのセリフを素直に解釈すれば、人類は「あなた方」から「文明」を与えられ「魂」を借り受けた債務者の立場にあるところ、ゲンドウは、債務者という立場を脱却したいと考えているようだ。そのために「人類補完計画と諦観された神殺し」が必要となるということだろうか?
・「神殺し」という言葉からは、やはりニーチェのパロディという側面があるように思われる。
・綾波ユイ(シンジの母)と綾波レイは、「精神と身体 animus - corpus の分離」を象徴しているようである。
・「ロンギヌス」と「カシウス」の槍、「ヱヴァ Mark6 パターン青」、「アダムスの器」など、物語世界内固有のワードが何の説明もなく出てくるが、こうした(源氏物語における漢詩のような)「コード」をちりばめる手法は、前述した大きなテーマをぼかすことにもなりかねず、個人的には感心しない。
・(ゲンドウが残していった)音楽プレーヤー?の意味についてもヒントがないようで、視聴者に不親切に思える。
・シンジは14歳のときに意識を失ったので、知能は14歳のままという設定なのだろうが、カヲルの制止をきかずに槍を抜いたところは、アニメの主人公(しかも世界を守るべき存在)としてはさすがに頭が悪すぎるし、展開として不自然である。知性・判断力の未熟さを強調しないと、まともな大人は感情移入がしにくいだろう。

 この続きが、例えば、「「ゲンドウ=父=悪」を「シンジ=子=善」が倒して世界を救う」といったステレオタイプ、あるいは、「全部シンジの夢の中の出来事でした」といったたぐいのうっちゃり型の結末であるというのであれば、一視聴者としては「遺憾」という感想を述べるしかないだろう。
 さて、「シン・エヴァンゲリオン 劇場版」はどうなりますことやら?
  
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初心者の感想(5)

2021年02月07日 06時20分55秒 | Weblog
明日『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q TV版』放送内でTV初公開!ミサトのナレーション最新作予告編を放送決定!
 録画していた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q TV版」の残りを観る。
 全体的な印象は、「伏線を張りまくって、回収しないままにしている」というもの。
 例えば、なぜアスカが生きているのかについて説明は一切ない。
 論理的一貫性を欠くのは致命的であり、通常の小説であれば一発アウトだろう。
 さて、「初心者」が観たままをメモしてまとめると、以下のとおり。

 例によってゲンドウと冬月の会話で始まり、ゲンドウは「ゼーレのシナリオを我々が書き換える」と述べる。
 続いて冬月がシンジの前に突如現れ、綾波ユイ(シンジの母)は冬月の教え子であったが、自ら志願して被験者となった挙句、初号機の制御システムと化してしまったこと、また綾波レイは彼女の「複写体」であることが明かされる。
 ここまでは夢だったのか、次にカヲルが登場し、シンジのDSSチョーカーを外して自身の首に装着した後、シンジとともに13号機を起動させ、「ロンギヌス」と「カシウス」という2本の槍を2つの魂で持ち帰るという任務(これによって世界が救済される?)に着手する。
 ところが、2本の槍は同型で、カヲルは「あれは使徒の槍じゃない」と気づくが、それにもかかわらず、シンジは槍を抜いてしまう。
 その瞬間、「ヱヴァ Mark6 パターン青」が起動し、何やら破滅的なことが起きる。
 ちなみに、カヲルは「第1の使徒」から「第13の使徒」に格下げ?になったらしい。
 そして、このタイミングでゲンドウが現れ、「・・・死海文書の契約改訂の時が来ました。・・・死を背負った群れの進化を進めるためにあなた方は我々に文明を与えてくれた。人類を代表し感謝します。死をもって あなた方の魂をあるべきところへ還しましょう。宿願たる人類補完計画と諦観された神殺しは私が行います。ご安心を」と述べるが、話しかけている相手は「ゼーレ」(ドイツ語のSeele :精神、魂だろう)のようだ。
 また場面が切り替わり、世界では「フォース・インパクト」が起ころうとしている。
 「アダムスの器」と「ヱヴァ 改2」に乗ったアスカとが戦っている。
 槍を抜いたシンジがまたしてもトリガーを引いたと思いきや、カヲルは、「僕が第13の使徒になってしまったからね。僕がトリガー」、「ガフの扉は僕が閉じる」、「また会えるよ」と述べた直後、DSSチョーカーが締まり、死に至る。
 これで、「フォース(インパクト)は止まった」ようである。
 ラストは、(ゲンドウが残していった)音楽プレーヤー?が地面に落ちる場面で、これがなかなか意味深である。
  
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閨閥組(2)

2021年02月06日 06時24分51秒 | Weblog
 加藤勝信官房長官の経歴を見て、ふと疑問が浮かんだ。
 「本省勤務の他、農林水産大臣だった加藤六月の秘書官も務める[1]。加藤の長女と婚約するが破談となった後、次女と結婚して[5]婿入りし、加藤に改姓[6]。」とあるから、絵にかいたような「閨閥組」なのだが(それにしても、長女との婚約が破談になった後で次女と結婚するというのはすごい)、長官のことを、アスカ・ラングレーは一体どういうあだ名で呼ぶのだろうかという問題である。
 「東大卒、大蔵官僚」というのは、一種の exploit (功績、偉業)なのだろうから、アスカと同じく「現場叩き上げ組」的な要素はあるが、「政治家の婿養子」というところには、シンジのような「ナナヒカリ」的な要素がある。
 「エコヒイキ」とも「ナナヒカリ」とも「コネメガネ」とも呼びづらいのではないかと思う。
 折衷案として考えられるのは、「エコヒカリメガネ」といったところだろうか?
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単語と詩・歌

2021年02月05日 06時39分59秒 | Weblog
Carnegie Hall Vocal Master Class: Wolf's "Er ist's"

 寝る前に「ドイツ・リート名詩百選」から1曲を選んでYoutubeで聴くのが日課となっているが、メーリケの Er ist's で面白い動画を見つけた。
 歌唱のレッスンなのだが、これは単語の勉強になる。
 この先生が言わんとするところ、単語は詩・歌によって「生命」を吹き込まれるということである。
 この動画を見た後では、Fruhling, Veilchen などの単語を忘れる方が難しいだろう。
 
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内と外

2021年02月04日 06時17分20秒 | Weblog
なぜ「愚かなコロナ対策」が実施されてしまうのか?「思いつきレベルの政策がまかり通る」「経産省には実は仕事がない」前川喜平氏が激白する霞が関の実態
 「まあ、もともと経産官僚というのは、「他省の仕事に口を出す」体質の人たちなのです。
というのも、産業政策で「日本株式会社」を誘導する時代はもう過ぎ去っているので、それを担っていた経産省の本体って、所帯は大きいままだけど、実は仕事がなくなっているのですよ。
60年代の『官僚たちの夏』のころの“通産省の栄光”はもうない。
すると彼らはどうするか。とかく他の役所の仕事に口を出そうとする。


 前川氏による経産省批判。
 こういった指摘があることは確かだが、それは、この会社を外から見た場合のことである。
 内から見た経産省は、おそらく全く違う組織のはずである。
 ちなみに、私は、その姿を垣間見たことがある。
 大学時代(30年近く前)、キャリア官僚の採用では、国家公務員試験の一次合格発表直後(7月初め)に内々定が出ていた。
 経産省(当時は通産省)もその例にもれず、約20名に内々定を出したのだが、8月の最終合格発表で、そのうちの2人が不合格であった。
 当時は就職協定なるものがあり、7月1日が会社訪問の解禁日かつ就活の事実上の終了日だったので、この二人は就職先を失うというピンチに立たされた。
 うち一人は、浪人して再度受験するというので、経産省は、「来年もうちに来てくれたら、最優先で採用するからね」と確約し、その言葉どおりに翌年採用した(この人は、その後順調に出世し、おそらく数年後には局長になるだろう。)。
 もう一人は、就職浪人は出来ないというので、なんと、経産省が就職先をあっせんして、無事就職することが出来たそうである。
 要するに、この会社には、組織の「内側の人間」をとことん大切にする文化があったのである。
 おそらく、こうしたところは、前川氏を含む殆どの「外側の人間」には見えていない。
 今でもこういう文化が残っているかどうかは分からないが、少なくとも、内定を出した学生が司法試験に合格出来ないと、手のひら返しで「はい、サヨウナラ」と告げたり、上位合格者から「補充」したりする大手法律事務所(ロースクールにおける人格蹂躙とクソな競争)よりは、よいやり方だと思うのである。


 
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お湯無しジム

2021年02月03日 06時23分33秒 | Weblog
 半年ほど前、都内のあるスポーツクラブに久しぶり(3年ぶりくらい)に行ってみた。
 プールで泳ごうと思っていたのだが、水着を着てプールに入ろうとすると、「故障のため利用できません」という掲示がある。
 事前にホームページをチェックしていたが、プール不具合の記載はなかったので、おかしいなと思って会員さんに聞いてみた。
 すると、「緊急事態宣言中にプールの設備が故障したんだけど、もう修理しないんだって。つまり、プールはもう無いの。」とのことである。
 なんと、ホームページの表示は、「プールはそもそも存在しない施設」という趣旨らしいのである。
 この施設では、かつてはオリンピック出場選手がプールのレッスンをしていただけに、驚くばかりであった。
 そして、今週、この施設ではプールだけでなく、風呂・シャワーも使えなくなるという通知が届いた(ちなみに、スタジオレッスンは有料)。
 洗面所やトイレの水は出るようなので、おそらく、ボイラーや給湯管に不具合が生じ、修補不能となった、あるいは修補可能だが莫大な修繕費がかかる状態となった可能性がある。
 賃貸借契約であれば、当然運営側は賃貸人への減額請求が可能と思われるが、「お湯無しジム」に通いたい人がどれほどいるだろうか?
 汗を流した後、シャワーすら浴びることが出来ないのである。
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所有者は誰?

2021年02月02日 06時20分41秒 | Weblog
「プーチン宮殿」を動画で暴露(2021年1月20日)
プーチン氏友人「自らが所有」 ナワリヌイ氏暴露の「宮殿」―ロシア
 「ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の関連団体がプーチン大統領のものと主張する「宮殿」について、プーチン氏の元柔道仲間の富豪アルカディ・ローテンベルク氏が、自らの所有物だと説明した。

 所有者が誰かはもちろん重要な問題だが、カネの流れを追跡すれば真相が分かりそうだ。
 こういう情報が洩れること自体、プーチン大統領の権力が弱まっていることを示している。
 週刊誌を見ると、「Xデーは近い」という風潮である。
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初心者の感想(4)

2021年02月01日 06時17分31秒 | Weblog
 録画していたヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q TV版の最初の約1時間を観る。
 場面は「破」から14年後、マリとアスカが敵と戦うシーンから始まる(アスカが復活しているのは不思議だが、何の説明もない。)。
 シンジは14年間意識を失っていたようで、ようやく目覚めたとき、世界は一変していた。
 別人のようになったミサトたちは、シンジに「あなたがエヴァに乗る必要はありません」、「シンクロ率0.00%」などと非情な宣告を行う。
 ミサトたちは、今ではNERVの人間ではなく、それと対立するWILLEのメンバーとなっているらしい。
 綾波は、当初は「初号機と融合」したため存在しないとされており(但し、声は聞こえる)、ゲンドウの姿も見えない。
 シンジは、夢の中で綾波及びゲンドウと再会し、破壊されたNERV本部を見る。
 そして、ゲンドウから「カヲル」という少年(「13号機」)を紹介され、「二人でエヴァに乗れ」と命じられる。
 目覚めた後(?)、シンジは(現実の?)綾波と再会するが、別人のようになっており、会話が成立しない。
 ここで唐突にゲンドウと「冬月」のシーンが挿入され、「人類補完計画は死海文書どおりに実行される」などという会話がなされる(これは現時点では意味不明で、今後の伏線なのだろう。)。
 次の夢の中(?)で、シンジはカヲルから、綾波を救おうとしたシンジの行為がトリガーとなり、リリンによる「サード・インパクト」が発生し、人類の大半が、進化のための「ニエ」として死滅したこと、シンジはその罰(代償)として首にDSSチョーカーを嵌められたことを知らされる。
 予断を許さない展開で驚くしかないが、私の感想は以下のとおり。

・「たった一人しか存在しない存在」であるがゆえに綾波を助けたシンジの行為は、échange への反抗とみなされ、人類の大半を消滅させる「サード・インパクト」のトリガーとなった。
・その罰として、シンジは首にDSSチョーカーを嵌められ、かつ「エヴァ」には乗せてもらえない、つまり「身体を失った精神」の状態にされた。また、「私はここでしか生きられないの」と述べてエヴァに固執した綾波は、「精神を失った身体」にされてしまう。
・すなわち、シンジと綾波は、「精神」と「身体」が分離した(animus-corpus 分離)状態、つまり仮死状態に置かれている。シンジは、幽霊のように、夢の中では自由に空間を移動できるし、他方、綾波は、身体は存在するものの自律的な思考が出来ない。
・リリンの正体は不明だが、人類を「真のエヴァ」、「本物の神」を生み出すための「ニエ」(犠牲)にしようとしているらしいから、「種の論理」、要するに échange 的な思考の持ち主と思われる。
・NERV(神経)とWILLE(意志)が対立するという発想はにわかには理解しがたいが、前者は身体一元論的な方向性(「エヴァ」の優越)を、後者は精神一元論的な方向性(操縦士=人間?の優越)を、それぞれ示しているのかもしれない。
・NERV、WILLE というドイツ語を使っているところからして、作者は、もしかするとニーチェのパロディを目論んでいるのかもしれない。つまり、人類(Menschen)を超人(Übermensch)を生み出すための「手段」と位置付ける思想への批判である(もちろん、これはやや歪曲されたニーチェ解釈だろう。)。

 さて、ラストはどうなりますことやら?
 
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