この人を見よ ニーチェ/著 丘沢静也/訳
「この本の一部には、今日の観点からみて、女性や障害者などにたいして明らかに差別的な表現が含まれていますが、作品の時代背景、思想書としての歴史的・文学的な意味を尊重して使用しました。差別の助長を意図するものではないことをご理解いただきますよう、お願いいたします。(編集部)」(最終ページ)
ニーチェの著作の最終ページにこういう断り書きを付けるというのは、ちょっと筋違いな印象を受ける。
「この人を見よ」の内容を真に受けて、女性や障害者差別に走るような人は、おそらく皆無だろう。
そんなことを言えば、ホラー小説の末尾にも「明らかに残虐なシーンの描写が含まれていますが、・・・暴力の助長を意図するものではないことをご理解いただきますよう、お願いいたします。」などと言い訳をしなければならないだろう。
ちなみに、筒井康隆先生の「狂気の沙汰も金次第」(断筆前をご参照)の末尾には、この種の断り書きは付いていなかった。
ついでに言うと、小説よりむしろマンガ本などの方が、読者の年齢や内容などからして直截に暴力や差別に結びつく可能性が高いと考えられる。
だから、この種のマンガ本の末尾には、例えば、「正義の名の下に悪者を傷害又は殺害するなどの暴力的なストーリーや残虐なシーンの描写が含まれていますが、暴力や犯罪の助長を意図するものではないことをご理解いただきますよう、お願いいたします。」などという断り書きを入れる必要があるのかもしれない。
「この本の一部には、今日の観点からみて、女性や障害者などにたいして明らかに差別的な表現が含まれていますが、作品の時代背景、思想書としての歴史的・文学的な意味を尊重して使用しました。差別の助長を意図するものではないことをご理解いただきますよう、お願いいたします。(編集部)」(最終ページ)
ニーチェの著作の最終ページにこういう断り書きを付けるというのは、ちょっと筋違いな印象を受ける。
「この人を見よ」の内容を真に受けて、女性や障害者差別に走るような人は、おそらく皆無だろう。
そんなことを言えば、ホラー小説の末尾にも「明らかに残虐なシーンの描写が含まれていますが、・・・暴力の助長を意図するものではないことをご理解いただきますよう、お願いいたします。」などと言い訳をしなければならないだろう。
ちなみに、筒井康隆先生の「狂気の沙汰も金次第」(断筆前をご参照)の末尾には、この種の断り書きは付いていなかった。
ついでに言うと、小説よりむしろマンガ本などの方が、読者の年齢や内容などからして直截に暴力や差別に結びつく可能性が高いと考えられる。
だから、この種のマンガ本の末尾には、例えば、「正義の名の下に悪者を傷害又は殺害するなどの暴力的なストーリーや残虐なシーンの描写が含まれていますが、暴力や犯罪の助長を意図するものではないことをご理解いただきますよう、お願いいたします。」などという断り書きを入れる必要があるのかもしれない。