Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

最終ページ

2021年06月20日 06時30分33秒 | Weblog
この人を見よ ニーチェ/著 丘沢静也/訳
 「この本の一部には、今日の観点からみて、女性や障害者などにたいして明らかに差別的な表現が含まれていますが、作品の時代背景、思想書としての歴史的・文学的な意味を尊重して使用しました。差別の助長を意図するものではないことをご理解いただきますよう、お願いいたします。(編集部)」(最終ページ)

 ニーチェの著作の最終ページにこういう断り書きを付けるというのは、ちょっと筋違いな印象を受ける。
 「この人を見よ」の内容を真に受けて、女性や障害者差別に走るような人は、おそらく皆無だろう。
 そんなことを言えば、ホラー小説の末尾にも「明らかに残虐なシーンの描写が含まれていますが、・・・暴力の助長を意図するものではないことをご理解いただきますよう、お願いいたします。」などと言い訳をしなければならないだろう。
 ちなみに、筒井康隆先生の「狂気の沙汰も金次第」(断筆前をご参照)の末尾には、この種の断り書きは付いていなかった。
 ついでに言うと、小説よりむしろマンガ本などの方が、読者の年齢や内容などからして直截に暴力や差別に結びつく可能性が高いと考えられる。
 だから、この種のマンガ本の末尾には、例えば、「正義の名の下に悪者を傷害又は殺害するなどの暴力的なストーリーや残虐なシーンの描写が含まれていますが、暴力や犯罪の助長を意図するものではないことをご理解いただきますよう、お願いいたします。」などという断り書きを入れる必要があるのかもしれない。
 
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指の長さ

2021年06月19日 06時30分51秒 | Weblog
この人を見よ ニーチェ/著 丘沢静也/訳
 「・・・・・・『トリスタン』のピアノ編曲版が存在するようになった瞬間から(中略)、ーおお、ハンス・フォン・ビューロー氏よ、私は心から感謝します!・・・・・・私はワーグナーを崇拝するようになった。」(p68)

 私は、長いこと、「トリスタンとイゾルデ」をピアノに最初に編曲したのはフランツ・リストだと思っていた。
 というのも、彼は、親友であり、かつ、義理の息子(娘:コジマの夫)であるワーグナーの楽劇をピアノにアレンジし、出入りのサロンなどで弾いて、「うちのワーグナーが作った楽劇はこういう曲なんだ。ぜひ観にいってくれ」などと宣伝していたらしいからである。
 リストは高身長(ウィキペディアでは185センチメートル)なだけでなく、指が非常に長いので有名だった(ショパンとリストの手)。
 そのせいもあって、彼が作る曲は、指が短い人には弾きづらいらしい。
 これに対し、諸説あるが、ワーグナーはかなり小柄で、身長は160センチメートル未満だったという説がある(考察: Wie groß war Richard Wagner?(ワーグナーの身長はいくつだったのか))。
 身長と指の長さが単純に比例しているわけではないけれど、おそらく、ワーグナーの指は、リストのそれよりも相当短かったはずである。
 とすれば、リスト版の「トリスタン」を、ワーグナーは上手く弾けなかったという可能性もある。
 
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受験も塾もない国

2021年06月18日 06時30分32秒 | Weblog
知ってた?ドイツは受験も塾もないけれど、なかなか大学に行けません 「受験戦争」の日本とどっちがいい?
 「大雑把にいえば、中卒・高卒・大卒コースである。実科学校でいい成績をとって条件を満たしてギムナジウムに編入、そこから大学進学という路線変更も可能だが(実際友人はそれを果たした)、大学進学したいのであれば小学校卒業時点ですでに『ギムナジウムに進む』という第1選別をクリアするのが王道である。
 とはいえ小学生時点での学力差なんてたかが知れているので、学校選びには親の学歴が影響しやすい。つまり、中卒の親をもつ子どもが大学に進学するのはハードルが高いのだ(これには批判が根強くさまざまな対策がとられてきてはいるがそれは割愛)。あと、移民背景がある家庭の子は、ドイツ語能力が低いからか、ギムナジウム進学率が低いという不利な現実もある。


 日本に赴任するドイツ人の多くが、日本の受験競争の激しさに驚くという。
 これに対し、ヨーロッパ諸国では「受験も塾もない」というが、実際はどうなのだろうか?
 「受験も塾もない国」代表のドイツを見ると、なんと10歳の時点で、大学まで進むかどうかを決めるという。
 これには当然批判もあるが、少なくとも「無駄な競争を抑制する」という効果はありそうだ。
 ここで私が注目したのは、ギムナジウム入学に当たっては「ドイツ語能力」が重視されるという点である。
 このシステムだと、移民はなかなかエスタブリッシュメントになれないため、多くは早い段階から技術者の道を目指すことになるだろう。
 これは、(良いか悪いかは抜きにして)「ものづくり大国」ドイツを支える一つの仕組みといってもよいと思われる。
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自由の敵

2021年06月17日 06時30分33秒 | Weblog
時代錯誤の「安保土地取引等規制法」会期末成立へ
 「第2次世界大戦前、戦中の日本政府・軍は一般の国民に対して「防諜」(スパイ防止)の重要性を唱え、厳しく取り締まったが、肝心なところでは全く間抜けだった。
 もっとも酷い側は駐ドイツ大使、大島浩(ひろし)中将が米英にとって最大の情報提供者だったことだ。


 いろいろと問題のある土地規制法が成立した。
 条文の漠然不明確性などさまざまな問題が指摘されているが、こうした問題を与党側は「安全保障」の観点から正当化するのかもしれない。
 だが、私見では、依然として「安全」を脅かすものが究極的には一体何であるかが把握されていないのが最大の問題だと思う。
 歴史上、大量虐殺を行ってきたのは殆ど常に集団志向・集団思考を持った人間たちだった。
 つまり、真の敵は集団志向・集団思考であって、具体的な生身の人間ではないと考えられるのである。
 おそらく常にそうであるように、問題は人間の頭の中にある。
 なので、外敵に備えるために軍拡を行ったり国内を法律で縛ったりするのでは、本当に有効な対策とはならない可能性が高い(むしろ、与党側は、内部高度軍事化の危険性については鈍感であるように見える。)。
 そうではなく、「集団志向・集団思考をいかにして解体するか?」という発想こそが、実質的な「安全保障」につながるのではないかと考えられる。
 この点で非常に参考になるのが、「戦う民主主義」である。
 さすがにドイツは徹底していて、ドイツ共産党(KPD)やドイツ社会主義帝国党等は違憲とされて解党されたし、ナチスの表象すら使用を禁止されていることは周知のとおりである(但し、日本国憲法はこうした「自由の敵には自由を許すな」という思想には立っていないとされている。)。
 ところで、外に目を向けると、集団志向・集団思考に基盤を持つジェノサイドやあからさまな人権抑圧が起きているのだが、こうした問題について、日弁連が沈黙しているのは一体どういうことだろうか?
 
 
 
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データを読む

2021年06月16日 06時30分22秒 | Weblog
検査実施件数|東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト

 6/7(月)からの一週間の検査実施件数は、10,956、8,882、7,859、7,235、7,279、3,871、1,510。計47,592。
 5/10(月)からの一週間の検査実施件数は、15,733、11,925、10,526、9,867、11,370、6,619、2,639。計68,379。
 直近の1週間の検査件数は、約1か月前の1週間の7割以下である。
 東京都には、検査実施件数が3割以上減少している理由を説明する義務があると思うのだが・・・。
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飛び込み方式

2021年06月15日 06時30分04秒 | Weblog
65才で司法試験に合格した元公務員 「勉強は体系的にするものではない」
 「福岡市の職員時代は1995年の「第18回 夏季ユニバシアード」や2001年の「世界水泳選手権」(いずれも福岡市開催)の事務局長を務め、数々の国際事業に携わった。
 「必要に迫られて英語を勉強しましたが、そのときに強く実感したのが、“勉強は体系的にするものではない、飛び込みでいくものだ”ということです。
 韓流スターが話していることを理解したいという目的でファンの女性が韓国語を習い始め、みるみるうちに上達したという話をよく聞きますが、まさにそれです。何でもいいから『これを理解したい』という“強い思い”をきっかけに勉強を始めれば続くんです。逆に、興味がないことは続かないし、頭にも入ってきません」


 なるほど。
 この言葉には感心した。
 法律を学ぶ際、一番神経を使うのが、「どの基本書を選ぶか?」である。
 基本書との相性の問題は深刻で、相性が合わない基本書に固執したため、あるいはコロコロ基本書を変えたために、合格が数年遅れるなどということは十分あり得る(このことは、現在東京高裁の部長を務めている裁判官も指摘していた。)。
 悩ましいのは民事訴訟法である。
 これほど一般の大学生にとって縁遠い科目はないというくらい、とっつきにくい科目の一つである。
 例えていえば、野球をしたことがない人が、野球のルールを本だけで学ぼうという話である。
 ところが、私が受験したころは、初学者のために分かりやすく書かれた基本書というものは、まずなかった。
 だが、「面白い」本というものは存在していて、その代表例が、「重点講義民事訴訟法」だった。
 もともと「法学教室」の連載だったもので、難しい内容でも記述は平明で分かりやすい。
 特に、各章が完結しているというところは、「飛び込み方式」の勉強には向いている。
 もっとも、受験時代の私は、「必ずしも体系的ではない」という理由でメインの基本書にはしていなかった。
 今にして思えば、これを基本書に使えばよかったのだ。
 
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人質採用

2021年06月14日 06時30分56秒 | Weblog
民主活動家の周庭氏が出所 国安法違反の捜査は継続 香港
 「周氏は19年6月、中国への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対し、警察本部を包囲する抗議集会を扇動したなどとして、昨年12月に禁錮10月の実刑判決を受けた。受刑態度が良好だったため刑期が短縮され、前倒しでの出所となった。

 当然、「受刑態度が良好だった」という報道を鵜呑みにすることは出来ない。
 海外からの批判を免れる目的が考えられるし、あるいは、周氏の「洗脳」に成功したと当局が判断した可能性もある。
 「洗脳」と言うのは、ストックホルム症候群のように、長期間の身体拘束によって、周氏が当局にシンパシーめいた感情を抱くようになった可能性が考えられるためである。
 日本の「人質司法」においても、長期間にわたる身体拘束によって、取調官に対して従順となり、「落とされる」被疑者(無実の人を含む)は、数知れないほど存在する。
 そこで思い出したのが、かつての就活における身体拘束(企業側も必死!内定した学生囲い込みの実情)である。
 私も、大学のゼミを欠席する理由として、「(内定先による)拘束」という説明があったのを覚えている。
 当時は海外に連れていくケースもあったようだ。
 「人質司法」ならぬ「人質採用」である。
 こういう身体拘束を行う企業は、ブラック企業である可能性が高いが、「俺はこんなに評価されているんだ!」と逆に感動する学生もいたのだから、「洗脳」の効果は絶大だった。
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おそ松超え

2021年06月13日 06時30分05秒 | Weblog
 松野家の六つ子は有名だが、最近、これを超えるケースが次々に現れている。
 これまでは、2009年のスールマン家の八つ子が世界2例目の八つ子とされていた。
 だが、先月にモロッコで9つ子が生まれ(9つ子の赤ちゃん誕生 マリの女性がモロッコの病院で出産)、今月は、南アで十つ子(この呼び方でいいのか自信はないが)が生まれたかどうかで論争が起こっている(【映像】南ア女性が10人の新生児出産 男児7人と女児3人の計10人)。
 あと数年すると、松野家2つ分が同時に誕生するケースも出てきそうだ。
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異分子排除

2021年06月12日 06時30分50秒 | Weblog
政財官巻き込む“東芝劇場”、ファンドの狙いは半導体? 原発事業を抱え… 福島第一の廃炉撤退「あってはならない」
 「企業間競争が激しくなる中で、上場を廃止して株式の非公開化を選択する方が、中長期的な企業成長を考えると、利点が大きいと判断されるケースもある。一般的に株式上場は、資金調達方法の多様化や企業のブランド力向上などがメリットとされる。
 ただ、株式が公開されている以上、財務情報などが明るみに出るため、市場を通じてM&A(合併・買収)の対象になりやすい。事業の独自性が大きく問われる中、技術やノウハウ、人材などが市場原理で流出してしまうと、独自ビジネスを進める上での障害になりかねない。

 「東芝のビジネスが良くなるかと言えば、上場を維持しても非公開化しても、変わらないのではないか。英ファンドの国内実績は(外食大手の)すかいらーくなどに限られ、それも見違えるように良くなったとはいえないだろう。

 「非上場化」というのがトレンドになっているようだ。
 そういえば、もともと上場に向いていない企業文化というのもあると思う。
 
組織のモチベーション(8)「東芝と日立の明暗を組織論で考察する」
 「こんな共同体組織では、革新的な開発者がモチベーションを保つことができず、新しい創造的な商品は生まれにくくなってしまいます。舛岡氏が東芝を追いやられたことについて語った以下のコメントは、共同体がいかに才能を潰すのかを物語っています。
 「結果を出した人を活用せずに、仕事をさせないような人事ローテーションって東芝のサラリーマン体質というものですかね。もともと僕は自分が信じた事ばかりやって、上司の言うことは聞かない質だったので、辞めた時に会社は喜んでいたよ(笑)。」


 「異分子排除文化」という視点をとると、今回の経産省と連携した株主総会の不公正な運用も理解しやすいのではないだろうか。
 
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スーツを着た首狩り族

2021年06月11日 06時30分27秒 | Weblog
トヨタ、パワハラ自殺で和解 再発防止へ人事制度見直し―社長が遺族に謝罪
 「パワハラ被害を受けた男性は東京大大学院を修了し、15年4月に入社。配属された部署で、直属の上司から「死んだ方がいい」などの暴言や叱責を日常的に受けた。休職を経て16年10月に復職したが、その後に再び元の上司と近い席となった。男性は「死んで楽になりたい」などと周囲に漏らし、17年10月末、寮の自室で自殺。豊田労働基準監督署は19年9月、パワハラと自殺の因果関係を認め、労災認定していた。

 この「上司」の攻撃的な発言から、私は、サラリーマン時代のある出来事を思い出した。
 私の上司が異動して支店長に昇格するというので、送別会が催された。
 この上司は、会社では全国1、2の営業成績を誇っていたそうで、私も間近で見ていて「凄いな」と思ったことが多々あった。
 宴たけなわとなったところで、この上司が、部下たちの前で次のような演説を始めた。

 「最近、『オヤジ狩り』なるものが頻発しているらしいが、まったく嘆かわしい話だ。
  私は、毎日井の頭公園をジョギングしているが、そんなときに若者たちが攻撃してきたら、仕返しをしてやろうと思う。
  皆さんはご存じないかもしれないが、相手の足にダメージを与えて転ばせた後、首の上を足で踏んづければ、だいたい人は死ぬものだ。


 アルコールが入っていたということもあるだろうが、聞いていた人の多くは、見てはいけないものを見てしまったという感じで、明らかに「引いていた」。
 この上司の凄まじい営業活動の原動力は、紛れもなく、他人に対する攻撃衝動(はっきりいうと殺人衝動)だったことが判明したからである。
 「実業紀原始人」という表現ではもはや十分ではない。
 「スーツを着た首狩り族」と言えばやや大げさかもしれないが、恐ろしい攻撃衝動を内に秘めた人が、スーツを着て、我々の身近なところで仕事をしているかもしれないのである。
 
 
 

 
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