Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

本当の頭の良さ

2021年06月03日 06時30分17秒 | Weblog
5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人 ドイツに27年住んでわかった定時に帰る仕事術
 「ドイツ外務省の儀典担当官だった私の知り合いは、日本大使館の儀典担当官と天皇皇后両陛下の歓迎式典の段取りについて打ち合わせをした際のことを、こう振り返っている。
 「天皇皇后両陛下がドイツに到着してからの予定表を、日本側が分刻みで作成していたことに驚いた。到着が遅れたり突発的な事態が起こったりすれば、すべての予定がずれ込むのだから、そこまで細かい予定を作る意味があるのだろうかと思った」
」(p154)

 耳の痛い話である。
 一般の人は、日本の外交官は難しい試験をパスした秀才だと考えているのかもしれないが、世界標準で見て「本当の頭の良さ」を持ち合わせているとは到底言えないようである。
 これと似たような話を、私もサラリーマン時代に経験したことがある。
 私が勤めていた会社の当時のトップは、東大法学部を首席で卒業し、司法試験と公務員試験を1番で合格したという、「三冠王」と呼ばれた人物だった。
 その人が、ある審議役(貸付審査を担当する管理職)に、
貸付先について、15年分くらいの資金収支は予想しているんでしょうね?
と確認したというのである。
 この発言には驚くほかなかった。
 中小企業の場合、そもそも売上げの予測が難しいから、資金繰りが読めるとしても、零細企業だと向こう3か月くらいがいいところで、中堅規模の企業でも3年先まで資金収支を予想することは難しい。
 なので、「三冠王」の言葉は、極めて現実離れした、無駄な仕事を求めるもののように思われたのだ。
 「15年分の資金収支表の作成」などは、おそらくドイツ人であれば絶対にやらない仕事だろうし、そんなことをする暇があったら、取引先を紹介して売上げに貢献するくらいのことをしたほうがマシである。
 ちなみに、弁護士がタイムチャージ式で業務を行う場合には、分刻みで業務内容を記載した「執務状況報告書」の提出を求められることがあるが、これも似たような話だろうか?
 「本当の頭の良さ」とは何か、考えてしまう今日この頃である。

 
コメント
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