制作中の妖怪は、ようやく着彩と植毛を残し完成である。こういった怪獣、怪物、妖怪の類を“カッコイイ”と評したのは、私の世代が第一世代ではないだろうか。 幼い私には、ゴジラと力道山は完璧なフォルムに見えたものである。作っていて愉快であることは、小学生時代と全く変わらなかった。 妖怪といっても最もポピュラーな物であることは、当ブログを見ていただいている方は、凡そお判りであろう。私は人間と日本猿、蛙と亀が混ざったようなものだろうと想像した。それで泉鏡花原作となれば限られてくる。 主人公の生臭くて表面がベトベトしたそいつは、性格、性根がKさんそのままである。イニシャルだってKといえばKである。作中、娘の尻を触ろうとして怪我をする。怪我をして腹を立てているが、そもそも自分の不心得がたたったからで、怒る筋合いではないのである。 こう書いているとますますKさんは、創作の神が私に遣わした妖精なのではないか、と思えてくる。ひょっとして私が作品を完成させたとたん、スカスカのザックを背負ったまま、煙のようにどこかへ消えてしまうのではないか? これは是非完成を急がなければならない。
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