明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



梅雨の夕方の設定なので、小雨混じりの中出発し、某施設をロケハン。5時半で閉まるというので、ギリギリまで粘るが、外光が明るく、思ったような室内光とのバランスにならず。 帰りにK本に寄ると、「今日は夏至だよ」。よりによってこんな日に。
撮影用レンズは揃った。イメージとしては、人物はちゃんと写るのが取り柄だが、特に特徴がない最近のレンズで撮る。異界の存在との区別をつけたいのと、合成のし易さからである。出演をお願いした皆さん、全員一同に会せる機会も少ないだろうが、三島由紀夫の『男の死』で、特に『潮騒』でかなり無茶をしたので、なんとかなると考えている。成否を決するのは、ひとえに背景と人物に当る光の質を合わせることである。 一方異界の者共は、かつてのペンタックスマウント。捻じ込み式マウント時代のレンズの中から、異界向けレンズを選んだ。梅雨空の薄暗く、ジットリした草むらの中の河童。そんなシチュエーション用である。 河童が3体になったら、舞台である房総にでかけ、しばらく撮影してくる予定である。河童2体目の制作。これは私が小学生の時に発売された、懐しい水中モーターを着けて泳いでもらう予定である。サンダーバードでいえば4号といった役どころである。製造元が変わったせいか、イメージよりパワーがないので贅沢に2連にする。 まさかこの齢になり水中モーターを手にすることになるとは。 果たして思ったように泳いでくれるだろうか。当然あの頃のように、浴槽で浮力その他、実験しなければならない。 小学生の私が浴槽で河童を泳がせている私を見たらどう思うだろうか?『泣くな。お前は生まれた時からこの調子だったじゃないか。つまり生まれつきだ。お前に何の責任もないのだよ』。せめて鏡を見ながら血糊で流血した跡は掃除しておこう。

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