明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



人間というものは勝手である。私は昔から梅雨が大の苦手。サウナも苦手、湿気が大嫌いである。この時期の唯一の楽しみは、雨の中、人のいない清澄庭園の濡れた石を眺め、近くの『伊勢喜』でどぜう鍋で一杯やることであったが、老舗だった伊勢喜も閉店してしまった。 作品の舞台である梅雨の季節に、河童を撮影しなければならないせいであろう。ベタベタと汗ばんだ胸に手を当てて考えても、不快な気分が起こらない。除湿もしていない。さらに「梅雨明けはいつだろう?」いつもと逆なことを思っていっている。  来月1日に、出演者として参加いただくMさん邸で、Mさんの奥さん役、若い娘役の打ち合わせである。背景となる写真を見ながら撮影プランを説明するのだが、今回は、Mさんの奥さんに着物をお借りするにあたり、女性二人のコーデイネイトをお願いすることが主目的である。 映画やTVを見ると、観客動員や視聴率を期待されたり、演技力を買われて出演するのであろう。この顔、役に合っていないな、ということはしょっちゅうである。 その点私の作品には、余計な物が必要ない分、長年その渡世を歩いていたら、こうなりました。という顔の持ち主を選んだ。 そして翌2日にも房総へ撮影に行くはずであったが、予定の河童3体目には取り掛かかってもおらず、なのにここに来て、甲羅が気に入らなくなってきた。そこらに有ったのを背負ってみました。という感じである。作り直し。とりあえず甲羅と頭の皿は、1セットを使いまわすことになる。

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