明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



寒山拾得はいつものように和紙にプリント額装するとして、その全作品をインクジェットのロール紙を利用し、長尺の絵巻風にしてプリントしてみたい。そこには時間経過だって描けるだろう。寒山拾得、豊干、虎が寝ている四睡図や、様々な場面を並べたら良い。山中の様子も描きたいが、小川や湖水なども欲しい。そうなると未だ手を出していない水の表現が問題になってくる。陰影が無いということは反射や艶もないことになるだろう。行灯や蝋燭の炎は筆描きでなんとかこなしたが。円谷英二同様、水と火の表現には苦労することになる。 松尾芭蕉は芭蕉像だけでなく芭蕉庵も作ることになっている。かつてのジャズ、ブルース時代のように、人形作りが楽器や芭蕉庵に感心されてもしようがない。あくまで芭蕉像を引き立たせるためだけに作りたい。せっかくそこまで作るなら、芭蕉庵の芭蕉も写真作品にしたい。となるとカワズが飛び込む古池が欲しくなる。その時には水をどう描けば良いか打開策が見つかっていなければならない。芭蕉記念館の前に芭蕉の木もあるのだが、道路っぱたでまったく生気がない。それに引き換え、最近SNSで見た友人の工房に生える芭蕉の木が瑞々しい。あれを撮らせてもらう手もある。芭蕉庵に芭蕉の木がなければ絵にならないだろう。 また別な欲もあって、陰影を思いっきり出して、池も本物を使い、リアルな芭蕉と芭蕉庵も制作してみたい気もする。夜、燭台の灯りを頼りに句作に思いを馳せる芭蕉なんていうのも良いだろう。絵画とは違い、被写体を一度作ってしまえば撮り様は色々あるので妄想は拡がる。最近ジタバタしながらも気が付いたら思った物が作品となって目の前に現れる。何よりである。


6月7日まで延長

大鴉 エドガー・アラン・ポー


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