明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ゴールデンウイーク前に、人形、キャプション以外はすでに会場に整然と並んでいる。そうするには私は初個展から展示には関わらない。何をして良いか判らないのである。そのプリントも、オーディオと一緒で入口と出口が肝心。音の出口はすべて盟友プリンター田村正実氏というスピーカーを通している。 今回は正面奥に、2メートル超の燃える金閣寺にヤクザな三島が日本刀とピストルをかまえている。これは“感心されるくらいなら呆れられた方がマシ”あるいは“及ばざるくらいなら過ぎたる方がマシ”という私の2大モットーが具現化されている。 そもそも三島由紀夫という人は生前常に積極的に呆れられ続け、そしてやり過ぎていった人物である。映画憂国の撮影ではもっと血を!と要求。その切腹シーン用には豚の臓物を使ったが、スタジオ内に異様な臭気が立ち込める。そこへ三島はあろうことか香水を降りかけてしまう。普通そんなことをすればどんなことになるか判りそうなものだが、普通でない三島には判らない。そんな所も私は愛おしいのである。 藤原龍一郎さんが寺山修司と虫明亜呂無の競馬本を紹介されており帯には「もう一度逸脱せよ、愚行であろうとも。」という痺れるコピーが書かれている。三島はいった。「今犬死が必要なことを見せつけてやる!」





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