明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



禅師二人とモンゴル兵の頭部が一つあり、続けて正面向きの達磨大師の頭部を、と思ったが止める。何があるか判らない。あれを作れば良かった、と死の床で後悔する確率を下げるには、先の予定を立てず、目の前の物に集中すべきである。四人はちょっと多い。一作に数年かかるような作家は、若ければともかく、途中挫折の恐怖をどう克服しているのだろう。 独学我流者の勘は、学べば、知れば良い訳ではない、どうせなら、独学我流の特徴を保つべきだと。ここまで来れば、周囲を見渡しても誰も居ない。結果的には良かった。 それはともかく、知らなければその方が良いことは実際にある。制作中の禅師が亡くなった年齢が、今の私の歳だったこと。もう一人の禅師は、参考にした木像が、禅僧の彫刻では最高傑作といわれている。なんてことは、知って良いことなど一つもなく、出来れば知らずに済ませたい情報であった。



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