明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



鎌倉建長寺の開山蘭渓道隆は日本に禅が定着していないと知り来日。昨日建長寺のHPを見ていて、うかつにも初めて見る蘭渓道隆像を見た。これもまたトップページの、一番有名な木像とも顔が違う。私は来日時に持って来たと言われる肖像画を立体化したのだが、それを正面から見ると、タレ目受け口、顎と似た所はある。禅僧の肖像彫刻すなわち頂相(ちんぞう)彫刻は生前に作られた寿像と没後作られる遺像がある。像の制作期間も、下手したら数百年の隔たりがあれば、顔が違うのも不思議ではない。関わりがあった京都建仁寺には江戸時代に作られた像があり、X線撮影により、破損した面の部分が内部に収まっていることが判り、それが七百年前に作られたものらしく、細い顎先に、頭頂部が尖っていないところが肖像画と共通である。生前描かれたであろう細面で顎が細く垂れ目の受け口な肖像画が、やはりもっとも実像を伝えている、と改めて確信した。



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