明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



母がホームに入って間もなくコロナ禍となり、母のホームも、クラスターでニュースに出る騒ぎであった。無症状ではあったが母もコロナになった。ちょっと前まで仕事をしていたせいで、外交的で楽しそうにやってくれているのが何よりであった。近々ウチから3、4キロのホームに移れそうである。 コロナで数ヶ月ぶりに顔を見に行っても、昼ごはんを一緒に食べ、しばらくすると、常に母の方から〝もう帰って良い”という感じになる。ある時「今何作っているの?」答えると「もう帰って作りなさい。」それを聞いて納得した。ホームに入る前に、一年ほど同居をした。18以来であったが、その時私が寝ている時以外は時には食事しながらでさえも何かを作りっ放なしなのを見て、子供の頃とちっとも変わっていない、と呆れていた。母がもっとも心配したのが、教師が私の声が聴こえていないのかも?と難聴を疑うくらい、好きなことへの極端な執着ぶりであったが、結果、たかだか人形作って写真を撮ることに落ち着き、需要を考えずやっていることを別にすれば、単なる仕事熱心である。なので「もう帰って良いわよ。」も、母なりの親心なのだ、と思って大人しく帰ることにしている。



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