夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『佐賀のがばいばあちゃん』(アンコール上映)

2006年09月23日 19時46分08秒 | Weblog
 貧乏だけど、そこには生きる知恵とおばあちゃんの愛があふれていた。『佐賀のがばいばあちゃん』は、島田洋八の自伝的小説を映画化したもの。
 母が働くため、二人の息子の内の弟が佐賀県の祖母に預けられる。まだ小学生に上がったばかりの子どもが、母を恋しがる切ない思いがひしひしと伝わってくる。そして、おばあちゃんを大切に思える子どもに成長して、子どもはおばあちゃんのもとを離れて行く。
 貧しいことが暗いことではなく、明るこれば貧しさは感じない。その言葉どおり、おばあちゃんは明るく、力強い。消費することが美徳とされるこの時代、生きる知恵ともったいないと思う気持ちが欠落してきている。この物語は、そんな現代に風穴をあける、貴重な作品と言えるだろう。゛きゅうりやなすは、曲がっていても刻んで食べればどれも同じ味゛であり、美しいものばかりがおいしいわけではない。当たり前のことだが、改めて言われると気づくことである。便利さだけを追求しても、生きる知恵は生まれてこないかもしれない。
 また、学校の教師たちが、生徒一人ひとりの個性に合わせ接することができていた昭和30年代。゛生徒の持つ問題゛を考えて行動できる時代だったんですね。今なら゛依怙贔屓゛と言われるようなことも、時には必要なのでしょう。
(梅田ブルク7にてアンコール上映中)