夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

小津の秋

2007年10月10日 22時45分09秒 | Weblog
 小津安二郎監督の蓼科の別荘『無藝荘』で撮影し、タイトルも゛小津の秋゛とくれば、単に、小津安二郎へのオマージュと捉えるだろう。しかし、ほのぼのとしたものとともに女の情念も描かれ、物語は一筋縄では終わらない。
 人って、道を進めるとき過去と向き合うことも必要です。 新聞記者の佐々木明子は、取材のために蓼科を訪れる。取材の対象は「縄文のヴィーナス」。だが、明子は取材を終えるとある女性を探そうとする。それは、亡き父の過去と向き合う作業だった。
 上映時間は92分と長くない。小津監督独自のローアングルが活用されているのは言うまでもなく、映像も上品である。ラストの、縁側でのシーンは特別に綺麗で情緒がある。
(シネ・ヌーヴォにて)