この作品について主演のチョン・ドヨンは、『これまで関心がなかった両親の恋愛について考えた。“父”と“母”ではなく、一人の人間として捉えるきっかけになった』(略)と、インタビューに答えている。まさに、その言葉に共感できる作品。『初恋のきた道』(チャン・イーモウ監督)を彷彿させる作品ではあるけれど、この作品はこの作品として、秀作。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭グランプリ-ヤング・ファンタスティック・コンペティション部門-受賞作品。
ナヨンは郵便局員で窓口担当。近々、研修のために、ニュージーランドに行くことになっている。無口で人が良く、他人の借金の保証人になってしまう父・ジングク。そんな父にいつも小言ばかり言っている母・ヨンスンは、周囲に気配りすることもしない。ナヨンは、そんな母が嫌いだ。そんな環境で育った自分も、幸せな結婚生活ができるわけがないと思うと、付き合っている彼との結婚にも踏み切れない。
そんなとき、父が郵便物の仕分けの仕事をやめると言い出す。当然、母は父に食ってかかるが、父は失踪してしまう。
ナヨンは、旅行を取り止めて父がいるであろう、故郷の島へ向かう。しかし、ナヨンがそこで会ったのは、20歳の母と23歳の父だった。タイムスリップしてしまったナヨンは、母の“初恋”を見守ることとなる。真面目な郵便局員である父が、文盲の母のために文字を教える姿。 期待に応えようと、文字を一所懸命勉強する母。そんな状況に触れながら、ナヨンは自分自身の生き方を見つめ直すこととなる。
主演のチョン・ドヨンは、若い頃の母と一人二役。見事に演じわけている。若き父を演じるのは、映画『菊花の香り』『殺人の追憶』のパク・ヘイル。寡黙であるが、ヨンスンに対する愛情が十分伝わる演技を見せている。現在の両親の姿と、過去の両親の姿の対比がうまく描けているのが、秀作である所以。
監督は『私にも妻がいたらいいのに』(ソル・ギョング、チョン・ドヨン主演)が初監督作品だったパク・フンシク…ホ・ジノ監督作品『八月のクリスマス』では助監督を担当していた。今作は、監督2作目となる。
ちなみに、ナヨンの恋人役にはドラマ 『マイスィートソウル』『コーヒープリンス1号店』のイ・ソンギュン。そういえば、パク・ヘイルと似ている気がする。それもキャスティングの狙いか。
心を癒やしたい人にはオススメだ。
(2004年、韓国)
ナヨンは郵便局員で窓口担当。近々、研修のために、ニュージーランドに行くことになっている。無口で人が良く、他人の借金の保証人になってしまう父・ジングク。そんな父にいつも小言ばかり言っている母・ヨンスンは、周囲に気配りすることもしない。ナヨンは、そんな母が嫌いだ。そんな環境で育った自分も、幸せな結婚生活ができるわけがないと思うと、付き合っている彼との結婚にも踏み切れない。
そんなとき、父が郵便物の仕分けの仕事をやめると言い出す。当然、母は父に食ってかかるが、父は失踪してしまう。
ナヨンは、旅行を取り止めて父がいるであろう、故郷の島へ向かう。しかし、ナヨンがそこで会ったのは、20歳の母と23歳の父だった。タイムスリップしてしまったナヨンは、母の“初恋”を見守ることとなる。真面目な郵便局員である父が、文盲の母のために文字を教える姿。 期待に応えようと、文字を一所懸命勉強する母。そんな状況に触れながら、ナヨンは自分自身の生き方を見つめ直すこととなる。
主演のチョン・ドヨンは、若い頃の母と一人二役。見事に演じわけている。若き父を演じるのは、映画『菊花の香り』『殺人の追憶』のパク・ヘイル。寡黙であるが、ヨンスンに対する愛情が十分伝わる演技を見せている。現在の両親の姿と、過去の両親の姿の対比がうまく描けているのが、秀作である所以。
監督は『私にも妻がいたらいいのに』(ソル・ギョング、チョン・ドヨン主演)が初監督作品だったパク・フンシク…ホ・ジノ監督作品『八月のクリスマス』では助監督を担当していた。今作は、監督2作目となる。
ちなみに、ナヨンの恋人役にはドラマ 『マイスィートソウル』『コーヒープリンス1号店』のイ・ソンギュン。そういえば、パク・ヘイルと似ている気がする。それもキャスティングの狙いか。
心を癒やしたい人にはオススメだ。
(2004年、韓国)