夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「ハッピーエンド」(DVD)

2010年04月07日 11時51分08秒 | Weblog
 主要キャストは、『シュリ』などたくさんの作品に出演しているベテラン映画俳優・チェ・ミンシクに、『接続』で映画俳優としても新境地を見せたチョン・ドヨンと、『MUSA-武士-』のチュ・ジンモ。今になると、大物スターが3大共演をしていたということになる。この映画のテーマは、愛と執着ということになるだろう。そして見所は、冒頭からのチョン・ドヨンとチュ・ジンモのフルヌードでの大胆ベッドシーンだ。これまで清純派のイメージが強かったチョン・ドヨンが『あなたの体が好き』と言いながら、元恋人との愛におぼれる。ラスト近くに本当の意味での衝撃的なシーンがあるのだが、ある意味そのベッドシーンの方が衝撃的な、韓流ラブ・スリラーである。今も韓国国民にとって心に残るベッドシーンとなっている。
 チェ・ボラ(チョン・ドヨン)は既婚者で、生まれたばかりの子どもがいながらも、元彼のキム・イルボムと再会して以来、逢瀬を繰り返している。ボラの夫であるソ・ミンギは長年勤めた銀行をリストラされ、求職中。古本屋に入り浸り、主婦のようにドラマを見るのを楽しみにしている。ボラが子どもの英会話教室を運営しているので、家計はボラが支えている。子どもを保育所に迎えに行ったり、料理をするのも、ミンギの役割となってしまっている。夫婦の間は冷えてはいるが、ミンギもボラも別れるつもりはない。ボラにとっては、日常から解放され、気持ちが楽になるイルボムとの関係も捨てがたい。
 ところが偶然、妻とイルボムの関係に気づくミンギ。そして、イルボムのマンションに忍び込み、ある決意をする。妻への愛情が歪んでしまったミンギを、ある悲しい行動へと突き動かす。
 物語は、どんな大きな出来事があっても日常は日常として続いていくということを暗示して終わる。離婚せずに、イルボムとの関係だけを続けたかったボラ。ボラとずっと一緒にいることを望んでしまったイルボム。ただ、子どもにとって良い母であればいいとボラに望んだミンギ。それぞれのハッピーエンド…実は、終わりの始まり…が待っていた。
 あまり細かいところにこだわると、ラストにつながらないので、大目にみないといけない場面も。そして、韓流ドラマファンが気になるであろう場面としては、ミンギが熱中して見ているドラマは、おそらく『愛の群像』(原題:私たちは本当に愛したのだろうか)だ。キム・ヘスとペ・ヨンジュンが出ている。なぜ、そのドラマで、“あのシーン”が映し出されるのか。その意味は?
 この前のブログに掲載した『初恋のアルバム』のチョン・ドヨンと比べると、演技に幅があるのがわかる。今や“カンヌ女優”と呼ばれ、大スターとなった彼女の初期のころの映画作品。
(1999年、韓国)