のちの葛飾北斎となる勝川春朗は、素行不良で師匠に破門された貧乏絵師。
不貞腐れ、かつ自信家で鼻もちならない春朗(柳楽優弥)の絵を見た版元の蔦屋重三郎(阿部寛)は、彼に興味を抱く。
蔦屋重三郎は歌麿(玉木宏)や写楽を世に出していた。
妻のコト(瀧本美織)の励ましもあって、春朗は次々と絵を描いていく。
だが、幕府は浮世絵が庶民にわたることで世が乱れると、弾圧していく。
青年期の北斎を柳楽優弥、老年期は田中泯が演じている。監督は『相棒』シリーズの橋本一。
先日、NHKの教育テレビチャンネルの番組で、〝葛飾北斎の絵はアニメーションである〟という取り上げ方をしていて
興味深かった。
確かに波の動きが重層であり、水しぶきも動き出しそうだ。
そのために何度も海に足を運んだはず。この時すでに高齢であるはずなのに意欲的だ。
と、そんなことも思い出したが。
この映画は、作品に向き合う姿勢を描いたものになるのだろうか。キャストはいいのだけれど、全体的な中身はぼやけ
てしまったように感じる。