『ちはやふる』の小泉徳宏監督他、製作陣が集結した。今回は水墨画の世界を取り上げて、
新たな青春物語を描き出した。
大学生の青山霜介(横浜流星)はアルバイト先の絵画展設営現場で、ある“水墨画“と運命の
出会いをしていた。画の下には千瑛と書かれている。その水墨画を見ながら、霜介は涙を流
していた。“せんえい?”…に会いたい霜介だったが、そこには居なかった。
アルバイトのあと、巨匠・篠山湖山(三浦友和)に声をかけられ、水墨画を始める霜介だっ
たが、その自宅の屋敷には千瑛の姿が…。千瑛(ちあきと読む)は、湖山の孫で設営会場で
見たあの絵の作者だった。
霜介は状況の変化に戸惑いながらも、その世界に魅了されていく。
大事なものを喪失しながらも、生きる意味を見出し、再生していく物語。
「僕は、線を描く」だが実は、「線は、僕を描く」。
派手さはないがそこに“芯”のある作品で、物語が静かに流れていくのは当方が好みなところ。
横浜流星と清原果耶は水墨画の習得が大変だったと思う。
冒頭は横浜流星のアップから。その美しい泣き顔から始まる。
清原果耶は、明るくはしゃぐ役柄もいいが、じっくり悩み耐える役が似合う。
水墨画の基本も学べる。絵が苦手な当方は、まず感性や想像力を磨かないといけないと思う。
“墨をする”という行為を長らくしていない。あの、独特のにおいを感じてみたい。
そんな、なつかしさを感じる作品だった。青春って、いいなあ。
住込みで湖山の世話をする男、実は弟子という役柄を演じるのは江口洋介。霜介の大学の同
級生には、細田佳央太と河合優実。
他に、矢島健一、富田靖子など。
出演は、主題歌は「くびったけ」yama produced by Vaundy。