夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

舞台「宝飾時計」

2023年02月05日 18時47分09秒 | Weblog

これはまたごっつい舞台をみてしまった。

子役出身で10 年も同じ役をして身長が伸びず、その役をやめたら背が伸びだした女優・

松谷ゆりか(高畑充希)。30歳となった今も女優を続けているが、彼女がその役柄を演じ続

けたのにはわけがあった。

子役は3人の主演がいた。彼女たちの相手役である勇大は姿を消していて、この世を去っ

ものと周りは見ていたが、ゆりかだけはどこかで生きているはずと、信じていた。

 

今はマネジャーでもある大小路が恋人となっていて、ゆりかはそろそろ結婚したいと思っ

ている。一方、大小路というと…というところから物語は始まる。

 

前半70分、20分の休憩のあと、後半は前半の回収。後半開始の約30分は過去と現在をい

ったりきたりする、高畑充希の独壇場。出ずっぱりである。

バイオリンが台詞とともに伴奏されていて、観客は時代が変わったことに気づく。が、

音楽劇ではない。いわゆる小劇団のそれのように、後半は出演者が舞台上にいて、小物

を渡したり、舞台道具を動かしながらも、舞台を鑑賞している状態に。その後、前半の

物語の回収のために演者となっていく。

 

ラストに椎名林檎作詞作曲の小難しい歌詞、転調するオリジナル楽曲を度肝を抜く歌唱

力で独唱したあとは芝居として老婆の声色に。結果、高畑充希は10代から老年期と思わ

せる人生を演じている。鑑賞後にふり返ると、子どもから壮年期と移行しながら歌っ

ていたのではないかと思う。

新進気鋭の根本宗子作品。根本氏は、「ボクらの時代」やワイドショー的なものにたま

に出演したりしているので、ご存じの方もいるだろう。2009年に月間「根本宗子」を旗

揚げ。以降、すべての作品の作・演出を手掛ける傍ら、女優としても活躍してきた。21

年からは劇作・演出に専念している。5年ほど前に高畑充希から直接「私に芝居を書い

てほしい」とオファーがあり、今回に至っている。

彼女の脚本は当て書き。このあたりは、長年ピーターパンをつとめてきた主演の高畑充

希本人とかぶる。

内容を詳しく書けないことにもどかしさはあるが過去と現在、幻想と現実を行ったり来

たり。その展開の早さと、演技の区別。グイグイと畳みかける物語と演技技術が見事で

ある。

ものすごい文字数を客席で受け取った

 

大小路祐太郎を演じるのは舞台劇が2度目の成田凌。子役時代にゆりかと同じ役でトリ

プル主演だった女優で板橋真理恵を小池栄子、田口杏香を伊藤万理華が演じる。また、

子役時代の彼女たちの相手役・勇大を小日向星一、杏香の母を池津祥子、真理恵のマネ

ジャーは関 一、プロデューサーの滝本を八十田勇一がつとめている。出演者は以上の

8名のみ。



この舞台、作及び演出か女優賞で何かとるかも。

とはいえ、今年は始まったばかりだが。

今作のチケットは何か月も前に手にしていた。その時から思っていたのは“宝飾ってどう

いうこと?”ということ。自分の人生を宝飾したい、または自分の思いとは違う宝飾の

世界になってしまったと思うこと。そういう気持ちということかと理解した。

 

1月に東京公演を終えたあと、2月2日から6日まで大阪公演(森ノ宮ピロティホールに

て)。

その後、鳥栖公演、愛知公演、長野(上田)公演と続く←日程は省くがラストは2月26日

の長野となっている。

 

ところで、舞台上にベッド(布はまかれていないもの、金具むき出し)を見て、㈱高畑のバ

ネを使ってる?の突っ込みをひそかに入れていたのは私だけ?