東映創立70周年記念作品。
これまで幾度となく描かれ、たくさんの俳優に演じられてきた戦国武将・織田信長とその妻・濃
姫(帰蝶)との物語。戦いの場面はない。
本能寺の変にまつわる“謎”の部分を入れて、強烈なラブストーリーとなっている。
“もしかして、人間50年なし?”と突っ込んではみたが、そんなことはなく、本能寺の変はきちん
と起こった
「尾張に“うつけ者がいる”という。そのうわさが本当かどうか、お前が確かめてほしい」と父の
斎藤道三に言われ、いわば政略結婚で織田信長(木村拓哉)に嫁いできた濃姫(綾瀬はるか)。
格好づけてばかりの信長とは全くウマが合わず、“夫婦”とは程遠い関係にある。
だがある日、濃姫の祖国で内乱が起こり、父の道三が命を落とす。実家が嫁ぎ先の敵となってしま
った濃姫は自害しようとするが、それを止め、再び生きる意味と居場所を与えたのは信長だった。
大軍に攻められて窮地に立たされ弱音を吐く信長を鼓舞するのは濃姫。
桶狭間の戦いを境に、絆も強くなり、天下統一が二人の夢となっていく。そして、濃姫の夢は海を
渡って外の国に行くこと。だが、戦いが続く中で、信長は人間であることを捨て“魔王”となる。
そして、運命は“本能寺”へと時代は動いていく。
今年の大河ドラマ「どうする家康」や「コンフィデンスマンJP」シリーズの古沢良太が脚本。
監督は『るろうに剣心』シリーズの大友啓史が務めているので、映像は美しい。もの悲しい恋愛
の背景を描くのは得意とするところか?
綾瀬はるかは大河ドラマの主演を務めていただけに、時代劇も似合う。アクションもキレる。そ
れにスクリーンでも、肌の綺麗さは際立っている。
中学生のころの授業だったか、織田信長と濃姫はいわゆる夫婦の関係ではなく“同志”としての関
係だったと思うと教わった気がする。
昔の女性の人生は歴史上、記録がない。歴史のその時代の勝者に都合のいいように記載されてい
るであろうことを踏まえる、ということも含めて鑑賞したい。
個人的には、本能寺で変が起こることを豊臣秀吉が知っていたのかどうか、が気になる。
斎藤道三には北大路欣也、明智光秀を宮沢氷魚、福富平太郎貞家を伊藤英明、各務野を中谷美紀、
木下藤吉郎を音尾琢真、森蘭丸は市川染五郎が演じている。そして、徳川家康は斎藤工が演じて
いるのだが、見かけがいつもの斎藤工ではないので不思議な感覚で観てしまった。木村拓哉も、
インタビューで斎藤工の声はするけど姿が見えないと言っていたので、そこは注意を。