イッセー尾形、小日向文世、大泉洋という演劇人三人による喜劇作品。
マルク(イッセー尾形)、セルジュ(小日向文世)、イヴァン(大泉洋)は、
15年来の大親友。ある日、セルジュが現代アートの絵画を500万で買ってきた。
皮膚科の医師であるセルジュは現代アートが趣味で、やっと絵画を手に入れて
大喜び。白い背景に白い線がいくつか斜めに入っただけの絵を、マルクに自慢
する。一緒に喜んでくれると思っていたセルジュだが、マルクには不思議な顔
をした上、最後には酷評される。
一方、結婚を控えたイヴァンにとっても二人との関係はとても大事。険悪にな
った二人に仲を取り持とうとするも、うまくいかない。三人の関係を修復しよ
うとするほど、会話はおかしな方向へとずれていく。そして、事態は思わぬ方
へと進んでいく。
フランスの劇作家ヤスミナ・レザによる『ART』は、1994年にシャンゼリぜ劇
場で初演。98年にはブロードウェイでも上演された。2020年3-4月上演の小川
絵梨子版は公演中止を余儀なくされ、3年経った今年、同じキャストと同じス
タッフが再び集結し上演の運びとなった。
さすがの演技巧者たち。凄い役者が三人舞台上にいることだけで、ワクワクし
た。
開演から約40分後、80分後、大泉洋が台詞を早口でまくし立てる!その量!!
大ベテラン二人のテンポからの違い。間合い。楽しませてもらいました。
言わば、白い絵がいいか悪いかで口論になり、そこから関係を修復するだけの
物語。悲劇であり、喜劇。最高である。
6月15日が大阪公演の初日。25日まで梅田のサンケイホールブリーゼにて。
上演時間は1時間35分。ノンストップである。