夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』

2023年06月18日 21時35分55秒 | Weblog

『エヴァンゲリオン』はこれまでTV放送や映画化されてきていて、その未来的な世界観と

家族や仲間を描いて、これまで多くのファンを獲得している。

当方は、エヴァンゲリオンが人気になっていたことは知っているが、どれも観たことはな

い。ではなぜ、この舞台を観に行こうと思ったかというと、演出・振付がシディ・ラルビ

・シェルカウイ氏だということと、窪田正孝の舞台を観たかったから。2018年に公演され

た『プルートゥ PLUTO』を鑑賞し、感激と驚きを体感した。その時の演出と振付がシデ

ィ・ラルビ・シェルカウイ氏だった。

 

さて、この舞台作品は“ビヨンド”とついているとおり、“~のその後““~の彼方”。つまり、

これまでの先をいく話で、登場人物が違う。ただし、巨大汎用人型決戦兵器・

エヴァンゲリオンのパイロットとなった14歳の少年少女たちが、第3新東京市に襲来する

“使徒”に立ち向かうというベースは同じ。

 

15年前、世界各地に謎の“侵略者”が出没する。日本のある集落には隕石が落下し、巨大な

クレーターが出現。特務機関「メンシュ」の最高司令官、叶サネユキ(田中哲司)は部下

の桜井エツコ(宮下今日子)とともに四体の兵器『エヴァンゲリオン』を開発。サネユキ

は自らの息子トウマ(永田崇人)をパイロットとしてエヴァンゲリオンに搭乗させる。幼

い頃に隕石落下が原因で両親を失ったイオリ(石橋静河)は、使徒がその惨劇を引き起こ

したと信じ、メンシュに参加し、現在は現場指揮官として任務していた。

そして、イオリの元へヒナタ(坂の上茜)、エリ(村田寛奈)、ナヲ(板垣瑞生)らが集

められ、彼らには任務の証としてブレスレットが与えられる。だが、ある朝、中学の教室

にトウマが現れ、「僕らのやってることのすべては嘘の上に成り立っている」と言い残し、

ブレスレットを外して姿を消す。

その後、イオリの前に大学時代の恋人だったソウシ(窪田正孝)が現れる。ソウシはエヴ

ァパイロットが通う学校の臨時教師になっていた。次々と襲ってくる使徒。パイロットた

ちの思いは揺らぎ、すれ違う。イオリもまた、疑問を持ち始め、三度目の襲来で起きた意

外な出来事を通じ、みんなの心は動く。やがて、真実が明らかになっていくのだが…。

 

4年ぶりとなる舞台の主演となる窪田正孝は、「本来、手を出してはいけないエヴァンゲ

リオンという高い壁に挑むことを真摯に受け止めて、ビヨンドを完成させたい」とコメン

としている。そして、本日の観劇となった。

演出と振付は「プルートゥ PLUTO」のときのように、上下空間を行き来し、立体的に。

プロジェクトマッピングも多用し、演者との動きも併せて幻想的だ。布で風のように見せ

たり、波のように見せたりも凝っている。窪田正孝や石橋静河を含め、アンサンブルの人

たちのダンスは素晴らしい。素晴らしいのだが、腑に落ちない。何かがずれているような

気がして、ずっとこの先どうなるのかのワクワク感がなかった。

終始、舞台上が暗め。話の展開も特に驚いたものにはならず。残念感が。

パペットの使徒が小さくて分かりづらかったのもあろうか。

ただ、ラストの窪田正孝のコンテンポラリーダンスは上手だし、二の腕の筋肉の動きには

惚れ惚れする。が、結果的にエヴァをテーマにする必要はなかったのではないだろうか。

また、空席が目立っていたのは残念だったが、キャスト陣に責任はなく、素敵で素晴らし

かった。