韓国で大ヒットを記録した『最後まで行く』は第67回カンヌ国際映画祭の監督週間招待
作品に選出され、中国、フランス、フィリピンでもリメイクを制作。フランス版『レス
トレス』は、今年2月Netflixグローバル映画ランキング1を位獲得。
今回、その作品が日本でもリメイクされた。監督は日本アカデミー賞作品賞を受賞した
『新聞記者』の藤井道人。主演の刑事・工藤には岡田准一、対決する監察官・矢崎を綾
野剛が演じる。
年の瀬が押し迫った夜、刑事の工藤は母が危篤であるという妻(広末涼子)の電話を受
け、激しい雨の中で車を走らせていたが、そこに、上司からヤクザの親分(柄本明)か
らの不正入金の件を責任を取れという連絡も入る。どっちも切羽詰まった問題で心の中
がいっぱいいっぱいになっていた工藤は、さらに妻からの着信で母が亡くなった知らせ
を受ける。急ぐ工藤だがその時、彼の車の前に飛び出してきた男(磯村勇斗)を跳ね飛
ばしてしまう。必死で、車のトランクに遺体を乗せ、やっとのことで葬儀場に着いた工
藤は、今度は母の棺桶に男の遺体を押し入れ、母の遺体とともに火葬しようと試みる。
その時、「お前は人を殺した。知っているぞ」というメッセージが工藤のスマホに入る。
メッセージの相手は、県警本部の監察官である矢崎。彼は、工藤の不正はうやむやにす
ることを条件に、驚きの交換条件を出してきた。
逃げては追い、追っては逃げるの連続で息をつかせぬクライムサスペンス。岡田准一と
綾野剛の必死のやりとりが実は滑稽。本当のボスが後ろにいて二人は躍らされているだけ。
二人が真剣にやりあっている場合ではないのに、やりあってしまう。もう、ここはコメデ
ィ。
最後に残るトカゲ(柄本明の台詞)二匹。そこが、この映画の本質である。だが、あまり
そのオチの展開に新鮮さを感じることができず。予告編が良くできていておもしろかった
と思う。
心にぐっとくるシーンがないので、そこを描いてほしい人には物足りなさがあるかも。た
だ、岡田准一と綾野剛という二人の対比を楽しみたい人にはうってつけだろう。
出演は他に、駿河太郎、山中崇、黒羽麻璃央、山田真歩、杉本哲太など。
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