このところ、人気ドラマで謎めいた役で注目されている趣里の主演映画。その恋人を菅田将暉を演じている。芥川賞作家・本谷有希子の同名小説の映画化。
趣里は、この映画で体当たり演技、本当の体当たり演技で魅せている、そして見せている。思い切って、振り切った狂気を表現した。
無職の寧子は、ゴシップ雑誌の編集者の恋人・津奈木と同棲している。過眠症で、引きこもり。自分をうまくコントロールできず、津奈木に当たり散らす自分に嫌気がさしていた。
そこに突然、津奈木の元恋人だった安堂が現れ、自立させて津奈木の部屋から追い出そうと、無理やり寧子のアルバイトを決めてしまう。
少し何かが動き始めようとした矢先に・・・。
〝普通〟に生きようと思ってもうまくはいかない、修正をすると破綻していってしまう、という人たちは一定数いるのだと思う。
正しく生きたい、人を傷つけたくない、自分が傷つきたくないともがきながらも、生きようとする。
でも、その人がいるだけで、生きていけるということもある。
菅田将暉はサブカルチャー的な役柄の方がはまると思う。津奈木の元恋人・安堂を演じるのは仲里依紗。こちらも怪演がハマる女優である。
数々のCMやAKB48などのMVを手掛ける関根光才の長編映画初監督作品。
周りを、田中哲司、西田尚美、松重豊が固めている。