毎日、GetUpEnglishをご覧いただき、ありがとうございます。
「最近、名演説を紹介していないが、どうしたのか?」というコメントを時どきいただきます。
では、今日のGetUpEnglishでは、最近ちょっと評判を落としてしまっているバラク・オバマ(Barack Obama, 1961- )の名演説を紹介しましょう。
2008年3月18日、大統領への出馬を表明したオバマ候補がフィラデルフィアで行なった演説の一部を今日はご紹介します。
○Practical Example
"This was one of the tasks we set forth at the beginning of this presidential campaign: to continue the long march of those who came before us, a march for a more just, more equal, more free, more caring, and more prosperous America."
「これこそ、私たちがこの大統領選の運動を始めた時に表明した任務の一つでした。先人たちの長い行進を続けること。それは、より正当で、より平等で、より自由で、より思いやりのある、そしてより豊かなアメリカを求めての行進です」
●Practical Example
オバマ候補はそれまで人種問題にはおそらく意識的に触れないようにしていたのだが、この演説ではそのことについて言及せざるをえなくなった。そして以下のように高らかに宣言する。
◎Extra Example
"I chose to run for President at this moment in history because I believe deeply that we cannot solve the challenges of our time unless we solve them together, unless we perfect our union by understanding that we may have different stories, but we hold common hopes; that we may not look the same and may not have come from the same place, but we all want to move in the same direction: towards a better future for our children and our grandchildren."
「歴史上、この瞬間において、私が大統領選挙に出ようと決意したのは、心の底からこう信じているからです。私たちは、協力して解決しようとしない限り、時代の難題を解決することはできない、と。そして、次のようなことを理解して、連合国家を完成させなければならない、と。私たちは異なる物語を所有しているかもしれないが、同じ希望を共有しているということ。外見は違うかもしれないし、出身地も違うかもしれないが、みな同じ方向に進みたいと考えているのだということ。それは、私たちの子供たちや孫たちにとって、よりよい未来へと向かうことなのです」
数多いオバマの演説のなかでも、わたしはこの演説が一番好きです。
この演説は、オバマの演説集にほとんど取り上げられていないのですが、上岡伸雄編『名演説で学ぶアメリカの文化と社会』(研究社)には、長く取り上げられています。
そして著者である学習院大学の上岡伸雄教授の解説は、大変読み応えがあります。付属CDにはオバマの生声が収録されています。